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☆ 心の診療室」(2018.11.09)より
✤『思春期と心の病①』 思春期シリーズ!
講師:山中 正雄 (精神科医)

✰ 境界性パーソナリティ障害 ✰  ・発達障害とは違います。

◆ 愛を貪り、自己像や感情の不安定、著しい衝動のため、対人関係が維持できない。

① 愛情欲求が強いため。愛情対象が自分から去ろうとすると、
異常なほどの努力や怒りをみせます。
② 相手を理想化したかと思うと、こき下ろしてしまう。
人に対する評価が極端に揺れ動いててしまう。
③ アイデンティティが混乱して、自己像がはっきりしない。
④ 非常に衝動的で、喧嘩、発作的な過食、リストカット、衝動買い、
薬物乱用、衝動的性行為など。
⑤ 自殺行為、自傷行為、脅しなどの繰り返し。
⑥ 感情が極めて不安定。
⑦ 虚無感にさいなまれる。
⑧ 激しい怒りをもちコントロールできない。
⑨ ストレスがあると、妄想的な考えや解離状態になる。

9つのうち5つ以上あてはまる子どもの場合、育て直しを早くしたい。

◆ 過食・嘔吐の方は自己肯定感がない。愛情飢餓からの症状なので、
OKサインを続けることです。

◆ 「人間の心」は、「脳」と「体」と「環境」から成り立っています。

☆「特別セミナー(2018.10.26」より
✤『信じる心を育てる幸せ Ⅱ』
講師:有村 美恵子(臨床発達心理士)

◆ 始まりは愛着から
児童精神科医の佐々木正美先生は「子どもが無条件に愛され、自分の望む
欲求が満たされた時、愛着が形成され、人を信じ、自分を信じることが
できるようになる。」と言っています。
人を信じ、自分を信じることができるようになることは、私たちが幸せを
感じて生きていくうえで、とても大切なことです。

◆ エリクソンの発達心理学
アメリカの発達心理学者E,H.エリクソンは、人は生涯をとおし発達し、
各段階には発達課題があることを提唱しました。

乳児期 0~1歳)には「子どもが望んだことを親や養育者から十分に
してもらうと、愛される喜び、生きる喜びを感じるようになる。」という。
幼児期初期(1~3歳) には「しつけをとおして、自分の衝動や感情を
自分でコントロールできるようになる。」
幼児期後期(3~6歳)になると「自分でやってみたいという意欲が出て、
自発性が高まってくる。遊びの中で感動を分かち合い、子ども同士の
世界に入っていく。」
学童期(小学生)では「生活体験を仲間と共有し合い、勤勉な活動が
できるようになり、友達と多くのものを学び合う。」
思春期(中高校生)になると「自己を見つめ、自己を確率する時期。
仲間との関係をとおして価値観を共有できる友達をつくるようになる。」

人が成長し、共感的な豊かな人間関係を築いていくためには、乳児期の
発達課題が、その人の大切な土台になっていることがわかります。

◆ 子どもが望んだことを望んだとおりに十分に行なう!
親は子どもの幸せを願って子育てをします。子どもの将来を思い・・・、
自立できるように・・・、苦労しないように・・・。
しかし、それは子どもの望む、子どもの気持ちに寄り添うものになっている
でしょうか? 親や大人は現代社会の価値観の影響を受け、親の望む幸せ、
希望、期待を強く子どもに求めているような気がします。
子どもが“親や大人の気持ちを受け止める・・・” そのような立場に子どもは
置かれてしまっているのではないでしょうか?
子ども自身が愛されていると感じにくい、愛着が育みにくい環境を作って
しまっているような気がします。
私たち大人が無意識にしてしまっていることが親子の気持ちのズレに
つながっているように思えます。

◎ 親に愛されているという実感があると、子どもは信じる力を
身につけ、他人をも信頼できるようになります!

「心の診療室」(2018.10.12)より
✤『思春期と心の病①』 思春期シリーズ スタート!
講師:山中 正雄 (精神科医)
✰ 自己へのこだわり ✰

◆思春期の一般的特徴・・・
不安や衝動、人の目、こころと身体の不一致、万能感の揺らぎ、自分探し、
人生の悩み、病気そのもの。

◆こころは、脳と体と環境によって造られる
・自己臭妄想症・・・几帳面、潔癖症から口臭や体臭を周囲に発散し
嫌がられていると妄想、うつ病を合併することもある。
自分で体と気分のグラフを付け、セルフチェックを試みると
自分が見えてくる。
・極度に美醜にこだわる身体醜形障害・・・1日に何時間も肉体的欠陥を
考えるようになり、社会から孤立、学校から退学したり、仕事を辞めたり、
友人を作らず、離婚したり、自殺に至ることもある。
・摂食障害の一病型である拒食症・・・200人に1人が発症し、
女性は男性の10倍にもなっています。

◆自己をどう確立するか?
・失敗は宝物。失敗から修正能力を付けることは、考えたら宝物を得る道。
小さな成功体験から始めることです。
・欠点だけ言われた子どもは、完全志向に走り、強迫神経症や統合失調症に
なりやすい。

※自己受容は安心を生み、自信につながり、自由な境地に至る !!

「奇跡の子育て術」(2018.09.28)より
✤『ゆるす愛のミステリー』
講師:今村 冬生 (ファミリー・カウンセラー)
✰ 原石をどう磨く !? ✰  栗原泉著『ブレない子育て』

◆試行錯誤の日々
モデルや俳優として活躍している栗原類さんは、8歳の時、当時住んでいた
米国ニューヨークでADD(注意欠陥)と診断された。
母の泉さんもADHD(注意欠陥多動性障害)と言われ親子で障害に向き合う。
類は感覚過敏で注意力散漫、記憶力も弱い。泉さんは楽しく暮らしていける
環境を整えてあげようと思い、人より2倍3倍努力することを基本ラインとした。
誰も類を評価してくれないから、泉さん自身がほめた。
本人の努力や工夫には手放しでほめた。
類の場合、先にほめて後からダメ出しをすると「ダメ」の印象しか残らない。
だから、先にダメ出しをして最後にほめるようにした。

◆ブレない子育て
子どもにお題を課すだけでなく、自分にもお題を課しそれをクリアする努力をし、
一緒に頑張った。
「楽しい時間、環境を、ひとつでも多く与えよう」と決め、音楽会や海外旅行を
楽しんだ。
親のエゴをはずして子どもの意思を尊重するようにした。
子どもに言ったことは必ず守る、何より言行一致させたという。

◆得意分野を伸ばすゆるす愛
栗原泉さんの子育ては、マザーズの「子どものニードに合わせ、ゆるしていく」と
いう子育てと同じです。
※「障害にこだわるのではなく、得意分野を伸ばすことが成功への鍵です。
幸せの近道なのです !!」

☆「聖書に学ぶ子育て③」(2018.9.14)より
✤『高齢出産者の子育て!』
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長)

◆アブラハムとサラの場合
100歳のアブラハムと90歳のサラとの間に男の子イサクが生まれました。
ところがイサクはアブラハムにとって第二子、実はイサクには15歳も離れた
腹違いの兄イシマエルがいました。本妻のサラには子ができなかったので、
ハガルとの間に設けた子どもでした。イサクが与えられ事情が変ってしまい
ます。
アブラハムはイサクに家督を継がせるため、やむを得ずイシマエルとは
離れることにします。後にこのイシマエルの子孫がアラブ人となり、
イサクの流れを引いた子たちがイスラエル人となったのでした。

◆年寄りに育てられたイサクの人柄
イサクは愛情を豊かに注がれ、認められ、穏やかな子に育ちます。
年老いた親は元気な子についていけず甘やかし気味になるかもしれません。
しかし、年寄りの子育ては冷静です。穏やかです。子どもにとって甘える
ことを知っているということはとても大切で、親や相手に自分の気持ちが
言えるようになります。

※つぶれない強い子を育てるには、安全基地が必要なのです。

☆「一泊研修会(2018.7.13~14)」より
✤『輝く子どもの目!』

◆PARTⅠ:≪輝きのキッカケは何!≫
講師:山中 正雄 (精神科医)

童具デザイナーを目指してきた和久洋三さんは、「遊びこそ」が豊かな
学びであるという。
新しいオモチャや絵や童具に出会うと,子どもたちは無我夢中になり
目を輝かせる。特に幼児期は人間の可能性のすべてが秘められ、
自然とのつながり、人と人とのつながりの中から喜びを感じ、
創造力を発揮し、自らも次々とアイデアを生み出してくるようになる。
和久洋三著「子どもの目が輝くとき」より

個性の肯定・・・ほめる。抱きしめる。一緒に笑う。
本を読んであげる。家族みんなで食事をする。
輝くキラキラの目・・・先ずは健康。夢や希望、
生き甲斐を持っている。大好きながいる・・・。

◆PARTⅡ:≪愛を追い求めて!≫
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長)

愛はいつまでも絶えることがない。 いつまでも存続するものは、
信仰と希望と愛と、この三つである。
パウロはコリントの教会で語ります。「その中で最高のものは愛である」と・・・。
「このままで良いのだ!」と、子どもをあるがままに愛すること。
自分の良いところを認めるのも大切。
「ありがとう!」 褒め言葉は感謝して受け止める。
配偶者を褒める。子どもには言いやすいが、夫にはなかなか言い難い。
男のプライドは高そうだが、ガラスのようにもろくて弱い。
おだてると子どものように頑張る。「頼りになるわ」と、先ず感謝から伝える。
愛は神さまからのGIFTです。しかし ・・・
愛の受け取り方は人それぞれに違う:
①愛情、感謝を言葉で示されて感じる  ②行動で示されて
③好意や愛を贈り物で示され  ④上質な時間で示され
⑤身体的なふれあいで示されて!

◆PARTⅢ:≪愛が織りなす目の輝き≫ & ≪ここポート≫
講師:山中ゆりか(千葉市専門里親)、今村冬生(カウンセラー)

偽物の愛にダマされる女の子 : 夏休みの一時期預かった女子高生のことから、
昨年、児童養護施設の理事長を引き受けることになり、暴力問題を起こした
職員と裁判沙汰の末、辞めてもらった。
ところが、女の子は「私はあの人が大好きだった」と言い出した。
親から愛されていないと、ダマされ易くなっているのかも知れない。
甘い男の言葉に誘われ、妊娠し、中絶する子が多い。
渇きの世界が広がる闇だ!

「参加者による体験からの感想」・・・
・ゆるす愛のこの路線は間違っていないと思う。最近、子ども達が伸び伸びと
落着き、一緒に良く笑う。
・親に苦労をかけた子ほど、大人になってから親のことを気遣ってくれる。
お母さんが変わってから、僕も変われた気がする。今、送迎のデイサービスの
仕事と、すきなピアノの練習が両方できて嬉しい。
引きこもりがちだった息子さんの最近の言葉です。
・愛情をかけた子ほど自己肯定感が強く、愚痴も少なくなって来た。
今は焦らず将来の資格取得も目指しながら歩んでいます。
・子どもの気持に寄り添い、生きていることに感謝の気持でいっぱい。

※ 輝く目は、自己肯定感を育て、将来への希望に繋がっています!

☆「心の診療室」(2018.6.8) より
✤『発達障害の診断意義!』
講師:山中正雄 (精神科医)

◆発達障害の診断と検査
社会的コミュニケーションや対人関係の問題でトラブルになりやすく
「自閉スペクトラム症」と最近アメリカの学会ではいわれている。
子どもの問題で注目されるのは、読字・書字・算数などの学習障害や
注意欠陥・多動性・衝動性障害などのADHD症状。 また、職場における
大人の場合も問題が複雑化しています。
単なる発達障害のラベリング貼りだけでは済まされません。
発達障害は凸凹症候群です。

◆ADHDのプラス面とマイナス面
ADHDの子どもは思考回路が超人的で、疲れを知らず回復力が高い。
壁にぶつかっても乗り越える力があるので、そのプラス面を伸ばすように
することが大事です。自己肯定感を否定しない。
一方大人の発達障害者では最低限の社会性を身につけていない人が多く、
自分の特性を活かしきっていません。
家族や周囲の理解と支えがない人たちが多い。
凸凹を認めない日本の世の中がある。

◆ADHDで成功している人が意外と多い。
しかし・・・
研究者、教師、警察官、消防士、新聞・雑誌の記者、ジャーナリスト、
カメラマン、ディレクター、プログラマー、建築家、画家、デザイナーなど。
しかし、個々人によってADHD等の症状は様々で、愛着障害や虐待問題とも
いろいろに絡み合っているので、誤診されるケースもあり要注意です。

☆「特別セミナー(2018.5.25」より
✤『信じる心を育てる幸せⅠ』
講師:有村 美恵子 (臨床発達心理士)

◆ 私自身のこと
私は子ども時代から、とても生きにくさを感じていました。
〝ありのままの自分を出すことができなかった″からだと思います。
両親はそれぞれ、子ども時代からの悲しみや苦しみを持ち続けていました。
それがわが家の家庭環境をかたちづくり、私の考え方や行動に大きく影響を
与え、自分自身をとても不自由にしていたように思います。
〝人を信頼し、自分自身をも信じることができる″このような生活ができれば
何と幸せなことでしょうか!

◆ 人を信じる心
児童精神科医の佐々木正美先生は、「子どもが、自分の望んだことを望んだ
とおりに十分にしてもらい、自分の欲求が満たされた時、人を信じることが
できるようになっていく。」と言っています。
子どもの能力や可能性を伸ばすことも大切ですが、子どもが〝人を信頼し、
自分を信じ、幸せを感じることができる力を育てることは最も大切なことだ″
と思います。まさに、マザーズの「子どものニーズに沿った4つの法則」の
実践だと思います。

◆「マザーズの4つの法則」が与えてくれた気づき
① 自分の気持ちが静まる中で、子どもの気持ちが見えて来た。
② 子どもの気持ちが見えてくると、子どもの喜ぶ姿に、とても嬉しく感じられ
るようになっていく。
③ 親が子とものことを嘆いていると、子どもは親の嘆きの中でもがき苦しむ
とになる。
④ いつも子どもの気持ちより、自分の気持ちを優先させていた。私自身が幸せを
感じられるように子どもに愛を求めていたのかもしれない。
⑤ 一番大切なことは、その子をありのままに受け入れ、ゆるし続けること。
⑥ ゆるす愛とは、私自身の心の壁を壊すことだった。子どもとの心の壁を作って
いたのは母親である私自身。私が今、心の壁を取り除けば、愛は流れていく。

◆ ~生きることは愛すること~
「互いに愛し合いなさい。」  ヨハネ13:34
マザーズは、子どもが信じられるように、自分が信じられるように学ぶ 「愛」の場所。
◎ 愛にとどまる時、幸せと喜びが与えられる !!

☆≪聖書に学ぶ子育て①≫ (2018.5.11)より
✤『家庭の中で育つ子ども! 』
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長)

◆神によって創造された人間
最初の人とされるアダムとエバは、聖書によれば子供時代を持っていません。
しかし、次の世代からは、家庭の中で育てられ、やがて親から自立していく
不思議な存在として、どんな動物よりも長時間かけて育てられます。

◆カインとアベルとセツ
最初の人間は、禁断の木の実事件からお互いの信頼関係をなくし、ストレスの
多い子育てをスタートさせています。アダムとエバが最初に生んだのは、農耕
に従事する「カイン」と羊飼いの「アベル」でした。まるで違う二人、自分た
ちに似た罪を負った二人、カインは弟のアベルをねたみ、殺害してしまいます。
アダムとエバは悲しみ、カインを追放します。
そんな二人を慰めるように神様は次の子ども「セツ」を与えてくださいました。
そして、セツは人間の歴史に新しい歩みを与える子になります。
彼は主の名前を呼ぶことをはじめたのです。

☆≪聖書に学ぶ子育て②≫(2018.6.22))より
✤『立派な親に育てられ ! 』

◆超立派な親「ノア」
悪が地にはびこる時代の中にあって、ノアは正しく、かつ全き人でした。
ノアは五百歳になって、セム、ハム、ヤペテの三兄弟を生み育てます。
ところが六百歳の時に、神は洪水を起こし、地を滅ぼ すことを決断します。
そして、ノアにだけは大きな箱舟を造るよう命じます。長さ150メートル、
幅25メートル、高さ15メートル。3階建ての建造物に匹敵します。
ノアは黙々と主に従い、すでに成人し結婚していた息子たちも手伝い、
それぞれの妻と共に箱舟に乗ります。

◆洪水後のノア
悪に染まった邪悪な人々はみんな滅んでしまい、ノアと三人の息子と妻たち
八人から、世界の再スタートが始まります。ノアはブドウを育て,ブドウ酒を
作り裕福に暮らします。しかし、自分の造ったブドウ酒に酔いつぶれ、天幕の
中で裸のまま寝てしまい醜態をさらします。
いつも真面目なノアの醜態を最初に見たのは、ハムでした。面白がってセムと
ヤペテに伝えます。 ところが、セムとヤペテは父親の裸を見ないように後ろ
向きに近付いて、着物をかけたのでした。ノアはそのことを知った時、ハムと
その子どもたちを呪い、セムとヤペテを祝福したのでした。

◆立派な親に育てられた子どものストレス
親が立派過ぎると、どんなに頑張っても親を超えることができないと思ったり、
劣等感を持ったりすることがあります。周囲の期待がプレッシャーになること
もあるでしょう。また、社会的に成功する親の中には、子どもと向き合う時間
が少なく、ありのままの子どもを受け入れることが難しい場合も多くあります。

立派な親に育てられた子が案外まわりを裁き、他者の弱さや、
また、自分の弱さを受け入れられなかったりすることがあります。

☆「心の診療室(2018.4.13」より
✤『子どもと高齢者の共生!』
講師:山中 正雄 (精神科医)

◆ 共生社会の形成
○ 年齢や障害のあるなしにかかわらず、先ず、神様の前では皆が平等であるという
考え方に立つこと。
○ 選択理論によると、「うつ」も自分が選んでいるのであり、共に生きようという
思いがあれば行動に移せるという。人の心は果たしてそう簡単にいくでしょうか?
○ 子どもと高齢者が同居する実験型の施設「宅幼老所」が注目されています。
この動きに厚生労働省もバックアップしていますが、近い将来、多世代型の共生
も必要になってくることでしょう。
○「死を知ることは、人生を考える上で良いキッカケになる!」・・・
人は葬式という実体験を通して生を知るのです。 赤ちゃんがいて、おじいちゃん
やおばあちゃんがいて、コミュニケーションの仕方を覚え、成長していきます。

◆ 心のバリアフリー化
障害のある者と障害のない者が共に学ぶ仕組み。特別支援教育の推進で、発達障害
の問題や差別への対応に努力がなされています。しかし、まだまだ、
現場の先生方の末端までは心のバリアフリー化が進んでいない状況を感じます。

◆ 共に学びケアする場の構築 ・・・参加者の感想・・・
① 嫌な記憶は脳に残ってしまいます。それだけに、介護も養育も似ているところが
あります。
② 今の学校教育は個別化に対応できていない。特にフィートバックがない子どもへ
の対応がなされていません。今は先生が困らないと教育への変化が起こらない
ようになっています。
③ むかしは共に学び成長してきた。だから、いろんな人がいても良いように思う。
④ 嫌な思いは環境に影響されています。しかし、愛されたという記憶も一方では
残る筈です。
⑤ 高齢者をケアする会を作り、交わり、共に学び合いたい。

◆ 過去と現在をどう結び付けるか?
確かに過去が全てではない。トラウマは残るけど、出来ることを足元から努力し
進めていくと、そうでもない違う考え方もあると思えるようになってきます。

過去はゼロにはできないが、絶対でもない。
将来の希望へとつながっています。
結局は、自分がどう選び、どう生きるかが大事なのです!

☆「奇跡の子育て術(2018.2.9)」より
✤『ゆるす愛のミステリー』
~ 現在の子育ては 待つことを忘れてはいませんか Ⅰ ~
講師:今村 冬生 (ファミリー・カウンセラー)

◆「待つ」ということ 
待たなくてよい社会になった。 待つことができない社会になった。
そしてなによりも、子どもが何かにぶち当たっては失敗し、泣きわめいては
気を取りなおし、紆余曲折、右往左往したはてに気がついたらそれなりに育って
いたというような、そんな悠長な時間など待てるひとはいなくなっている。
決めた時に視野になかったものは、最後まで視野に入らない。
頑なであり、不寛容でもある。やりなおしとか修正を頑として認めない。
「待たない社会」、そして「待てない社会」。 偶然を待つ、
じぶんを超えたものにつきしたがうという心根をいつか喪ったのだろうか。
時が満ちる、機が熟すのを待つ、それはもうわたしたちにはあたわぬことなのか
・・・!?                  哲学者:鷲田精一著より

◆「待たない社会」「待てない社会」
早期発見、早期治療、早期教育と何でも早ければ良いと、最近は、強調され過ぎ
てはいないでしょうか。
「待つこと」にも良い面があると思いますが・・・
もっと早く、もっと高く、もっと正確にと競争原理に基づく目に見える原則のみが
重視され、目には見えない「心が育つ」過程がおろそかにされ、
忘れられてしまってはいないかと危惧を感じます。
≪質の高い脳への刺激≫・・・
うれしい、きれい、たのしい、おもしろい。これらの感情は知識だけのインプットで
増えるものではありません。
自分を信じ、人を信じる子に育ってこそ、豊かな人間性が生まれてきます。

◆「いくらでもやり直せます」
「何歳からでは遅すぎる」ということはありません。
「何歳からでも何度でもやり直せばよいのです」
親に愛された子には、愛着心が芽生え、他人を愛する意思が育ってきます。
子どもも親も、ゆるされると愛を感じます。
愛を感じると、愛のお返しをしたくなります。 子どももそうなのです。

◎ 究極のところ、心の支えになるのは『ゆるしの愛』です。
ゆるされた人は、ゆるすことが出来るようになるのです。

☆「子育てセミナー(2018.1.26)」より
✤『愛はいつまでも絶えることがない!』
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長)

◆ 愛は熱い
・愛は命がけです。冷めることはありません。命をも惜しまずに与えます。
愛は疲れずくたびれません。燃えるような愛がある。
ただ愛することに疲れて来たときは、自分の「愛」が本物であるかどうかを
もう一度問い直してみる必要があるでしょう。
・本当の愛は命がけです。しかし、そこには気負いや、悲壮感はありません。
湯たんぽのような持続的な愛もあれば、大水も消すことができないほどの
燃えるような愛もあるのです。

◆ 愛はあきらめない
・愛は見捨てない。投げ出さない。相手が思うようにならなかったとしても、
真実を尽くし続けます。
愛する人には温かいまなざしがあり、あきらめないのです。
・相手を信じ、相手のために良い将来を信じています。愛は長距離走なのです。

◆ 愛は変わらない
・愛はいつでも変わりません。「変わらない」ということは安心感をあたえます。
いつ帰っても変わらない場所があるということは良いことです。
まさに、親は子にとって変わらない逃げ場なのです。
・赤塚不二夫作・バガボンのパパではないが、「わしの思うようにはならないが、
でも、わしはいつでもわしなので大丈夫なのだ。あなたもあなたでそれで
いいのだ。」というわけだ。
・愛するということは、時間の中で熟成していきます。
時間を経た愛はやはり味わい深いものなのです。

◆ 愛は永遠
・愛は創造的で、現在形でなければなりません。昔の愛ではダメなのです。
愛はストップしません。愛は感情であると共に意志です。
そこには愛し続けるという意思が必要なのです。
・愛は死にも打ち勝っていきます。愛を打ち消したり、なかったことにすること
はできないのです。

◎ 私たちの愛はしばしば絶えてしまいます。しかし、
私たちが誰かを愛したということは、いつまでも残っていくのです。

☆「心の診療室(2018.1.12)」より
✤『自殺の予防と心のケア!』
講師:山中 正雄 (精神科医)

◆「自死願望 と 自死企画」・・・
○ 日本では人口の3分の1が自殺願望を持っていると言われています。
責任感の強い人が多く、運命の波を感じ、頑張り過ぎた末に無力感に襲われ
「うつ」になりやすい傾向にあります。
○ 発達障害の人や統合失調症の人たちが、感情や思考のゆがみを感じ
「うつ」になり、自死願望へと走り、自死企画を実行に移してしまうという
例はいくらもあります。
更には、抗うつ剤など多量の服用や、その人との相性の悪さから
異常な自死へと向かう場合があります。薬は過信せず、補助として
用いた方が良いと思います。

◆「うつ状態の悪化が自死を生む」
○ 人間は弱い者です。甘えられない子は特に「アブナイ!」
医者になるために甘えられなかった子は、医者になってから「うつ病」に
なる人が多い。
配偶者を「お父さん」とか「お母さん」と呼ぶ人がいますが、
これもアブナイ現象! 子どもの時の甘え不足が原因なのかもしれません。
○ 予防のためには無理をしてはいけない!
NoはNoと言い、疲れを感じる心を大事にします。頑張り過ぎは良くありません。

◆「自死願望を生むもの」
○ 人は疲れを感じると疲労が蓄積し誤作動を起こし易くなります。
特に「うつ病」の人は治りかけが危ない。
自信のなさから、外では「取り繕い」内では「しがみつき」の症状を見せます。
この現象は固執し過ぎる人に多く見られる症状なのです。
○「うつになる相性の悪い出来事」 :リストラ・退職・退校・卒業、多額の借金・破産、
失恋、結婚、出産、子育て、離婚、いじめ・パワハラ・セクハラ・ⅮⅤ、
不規則な仕事、やり甲斐のある仕事からの挫折、
知人の死(特に自殺)・ペットの死、病気・怪我・精神疾患など。

◆「どこをゴールにするか?」「自死への具体的対策」
○ 見てきたように、挑戦 「ガンバロウ!」 という対応では、限界があります。
○ 予防段階としては、「うつ」について皆で知ることが大切です。
本音が言えるように、言い出しやすいきっかけや、休みやすい雰囲気を
作っていくことが大事です。危機介入段階としては、苦しみを一緒にわかって
あげる。声かけをし、休養を勧め、支援の在り方を求めていくようにします。
○ 不幸にして自死が起こった場合には、心のケアを第一に「命は宝もの」
であることを皆で共有するようにします。
遺族の方で「悲しみのヨロイ」をつけ「悲しみ」を感じていないかのように
振舞っている人がいますが、「悲しみ」は「悲しみ」で受止め、
自死した本人から多くを学ぶことが癒しに繋がります。

☆「Xmas祝会(2017.12.8)」より
✤『クリスマスの愛と救い!』
メッセージ:山中 正雄 (MCC運営委員長)

◆≪ MCC創立48周年 ≫
神は、その独り子を賜ったほどに、この世を愛して下さった。
それは御子を信じる者が一人も滅びないで、永遠の命を得るためである。
神が御子を世に遣わされたのは、世をさばくためではなく、
御子によって、この世が救われるためである。 (ヨハネ 3:16-17)

聖書のこの個所は聖書の中の大事な部分です。
日本では「愛している」という言葉をあまり使いませんが、
『愛』を『大事』にとか『大切』にと置き換えて、
「この世を大切にして下さった。」というと、理解しやすくなります。
神は十字架につき、人々の命を肯定して下さった。
これがクリスマスの喜びであり、救いであり、愛です。

◆「祈りと気付きの愛餐会」
・マザーズの理事を18年前にやって下さっていた清弘さんが忙しい合間を縫って駆け
付けて下さり、長い間続いているマザーズの活動を心から喜んで下さいました。
神に愛されている活動だからだろうね・・・。
・友だちに誘われて参加したお母さんでしたが、新しい方との出会いに晴れやかな
様子でした。
・学習障害と不登校の息子さんを抱え、一年以上も音信のなかったお母さん。
自分自身もうつ状態でした。しかし、「祈っています」というマザーズからの
レターの一言に、挫けそうになる気持ちを辛うじて支えていました。そして、
自らのお母さんにもその苦しさを口に出した。母は素直に受け止めてくれ、
次第に楽になり、望みが持てるようになって来た。今は、息子さんたちも
前向きな面を見せはじめているという。
・今朝、日めくりカレンダーを見たら、「無力は力 君は弱いときこそ強い」と
いう御言葉がありました。まさにその通りで、弱いときこそ神の愛と光が届く
ように思います。
・長男がやっと自分で家を借りて独立するらしい。しかし、引越し費用はどうも
用意していないらしいのです。どうするのと聞くと、弟に借りるかなだって・・・?
・マザーズに来て、長い年月の中で引きこもりの息子の状態を認められるようになり、
私も「無力は力」と感じています。ダメな自分にも気づくようになったし、
感謝しています。
・最近は「神は愛なり」「神に生かされている」と感じるようになって来ました。
私がキリスト教に導かれたのは、息子のお蔭でした。
真面目過ぎる自分の限界も知らされた。そして、今は息子に自由に話せるように
なった。すべては、愛に帰することだと感じているという。

☆≪子育てセミナー≫(2017.9.22 / 11.10)より
✤『愛はすべてを望む! 』
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長)

◆ あなたには願いがありますか?
病気の人が治りたいと思うのは当然でしょう。しかし、案外、どこかで諦めて
しまうことがあります。そして、例え、治る病気であっても、患者自身が治り
たいと願わなかったら、治ることはとても難しい。
キルケゴールは「死に至る病」とは「絶望」だと言いました。
望むことを止めてしまったら、私たちは生きていくことはできないのです。

◆ 子育てに「すべてを望む」
愛は無条件です。条件を付けたり、範囲を定めません。望みえない時にこそ、
愛が求められます。
今のあなたは今のままで良い。それは、ずっとこのままで続くということでは
ありません。先はもっと良くなるということです。
また親の期待を子どもに押し付けるということでもありません。
只あきらめないことは大事です。
愛とは、相手に良いことを望むこと。親の望みと子どもの望みは違います。
子どもたちに沸々と希望が湧いてくることが成長の証しです。
その子どもたちの望みにより添うこと。それが愛です。
希望は失望に終わることはありません。神の愛がわたしたちの心に注がれて
いるからです。

✤『愛はすべてに耐える! 』
◆ 逃げないで その場にとどまる
ギリシャ語で「とどまる」とは「メノー」。
「その場にとどまる」は「ヒュポメノー」と言います。
「逃げるが勝ち」とも言いますが、辛いことや苦しいことがあっても、
逃げないで、そこに留まることは大切なことです。
私たちは一度 親になったら、親を降りることはできません。

◆ 神は われらの避けどころ
子育てに行き詰ったり、借金に追われたり、孤独感に襲われた時、あなたには
良い意味で逃げ場があるでしょうか?
「逃げない!」と言っても、口で言うほどやさしくはありません。
辛く苦しいとき、私たちは必要以上に逃げてはいないでしょうか?
何があっても逃げないで、そこに留まるということはこれまた大切なことです。
誘惑に乗らない。苦しみに耐える。苦しみを強いられても報復しない。
しもべとして生きる。これらは逃げない愛の形です。
しかし、私たちにはどうしても辛く苦しいときがあります。
そんなとき逃げ場所を提供してくれるのが、主イエスキリストです。
私たちを一時的に避難させ、その愛で護ってくれます。
主イエスは十字架に至るまで従順で、逃げることをなさいませんでした。
耐える愛というのは、自分に負わされた十字架を担っていくということでも
あるのです。

☆「心の診療室(2017.10.13)」より
✤『慢性疼痛の治療!』
講師:山中 正雄 (精神科医)

◆ 痛みは、命を守るために必要なモノです !
ジンジン! ヒリヒリ! ビリビリ! ズキズキ! チクチク!
焼けるような感覚、強いしびれ、突っ張り、痛みを伴う冷え、だるさ、不快感・・・。
痛みは、運動神経の興奮や筋肉の緊張によって生じます。
交感神経が緊張し、血管が収縮し、血行不良に陥って疼痛となります。
痛みには、急性疼痛と慢性疼痛があり、急性疼痛は、1か月から3か月で治まります。
慢性疼痛は、痛みの悪循環が続き苦痛を伴います。
神経の損傷による痛みや感情・ストレスによる心因性の疼痛があります。
生きるには痛みの感覚は大事ですが、考え方はソフトにすることです。

◆ 線維筋痛症=慢性疼痛
線維筋痛症とは、検査ではどこも異常がないのにジンマシンや痛みがあちこちに出て、
うつ症状や不眠症に襲われる症状を言います。
悪化すると慢性化しオマケの痛みが増します。痛みは脳がキャッチしますが、
痛みがなくなっても、脳が感じてしまうという厄介な二次障害を起こします。

◆ 痛みへの対応
A、セルフケア・・・慢性疼痛の場合、消炎鎮痛薬が効かないことが多い。
どうやって痛みを減らしたら良いでしょうか?
一番利目のあるのは、自分の趣味など好きなことをやることです。
B、認知行動療法・・・白黒発想に留まらないで、これならできそうという、自己効力感
を高めることです。運動にしても活動にしても、自分のペースで行いコントロール
できるようにします。 先ずは落ち込まないようにすること。
逆に、頑張り過ぎないようにすることも肝要です。
C、痛み指数・・・痛みの薬には、筋弛緩薬、抗不安薬、抗うつ薬などあり、人によって
は適合しないこともあります。自ら痛み指数(5段階)を付け、医者と相談しながらの
治療が効果的です。
D、経済的サポート・・・統合失調症、双極性障害,てんかんなどには、
精神障害者保健福祉手帳が発行されていますし、障害年金も出されています。
E、良いフラッシュバックを!・・・慢性疼痛だからといって、白黒の世界へ自分を追い
込まない。ゆったりとした気分で、自分の良い癖を出来るだけフラッシュバックさせ
るようにします。

※ 人間、絶対的なものはありません。
キリスト教では、ゆるしの愛で相対化し、痛みを吸い上げていきます。

☆「奇跡の子育て術(2017.9.8)」より
✤『ゆるす愛のミステリー』
講師:今村 冬生 (ファミリー・カウンセラー)

◎ ~ 環境で変わる 心の支え ~

◆ 増える発達障害のレッテル貼り
長年、幼稚園児を相手にしてきた南九州の先生から電話があり、最近、子どもたち
の成長を何かと発達障害だけのせいにする親や先生が増えているという。
マザーズでは、失敗にしても、例え障害であっても、気長に取り組むことで、
その子なりの個性が発揮できると考えています。
それだけに、レッテル貼りだけで済ませるのは良くないと思っています。

◆ 愛着障害の数々
子どもの苦悩の原因は、子ども自身が撒いたものではありません。
カウンセリングを受ける親御さんは、最初、子どもが自分勝手に困ったことをすると
思い込んでいます。しかし、その原因の多くが愛着障害を含んだ複雑骨折のような
状態になっていることがほとんどなのです。

◆ 子どもは現状のままの自分を認められたい ! 
1、ほめられたい。 愛されたい。 自分の存在をそのまま人に認められたい。
2、親の要求水準が高過ぎると、子どもは勉強嫌いになり、友だちとも上手くいかなく
なります。
3、怒りを覚えた子は、ちょっとした皮肉や批判的な言葉にも反発します。
これらの言葉は厳禁です。
4、その子なりの、現状における前進を認めてあげることが大事。
他人と比較しないことです。

◆ 子どもの困った性質は、環境で育つ 
子どもの行動は、場の条件によって左右され、いつも変化しています。環境によって
変わる子どもの行動を知らない親ほど、子どもの性質を誤解しているともいえます。
◎ 子どもが言えないことと、言わないことには、大きな違いがあります。

◆ 環境で変わる心の支え
失敗しても、ゆるされると、誰でも嬉しい。
子どもも、親も、ゆるされると愛を感じます。
愛を感じると、愛のお返しをしたくなります。 子どももそうなのです。
◎ 究極のところ、心の支えになるのは『ゆるしの愛』です。
ゆるされた人は、ゆるすことが出来るようになります。  

☆≪一泊研修会≫(2017.7.7~8)
✤『奇跡の子育て!』

◆PARTⅠ:『旧約聖書に見る子育て』
講師:山中 正雄 (精神科医)
子どもは神さまからの預かりものです。ところが、人間の子育ては始めから
失敗続きなのです。神に逆らったアダムとエバ、その子カインは弟のアベルを
殺してしまいます。アブラハムとサライ、イサクとエサウ、リベカとヤコブ、
不幸な家庭の物語が続きます。そしてモーセの誕生とエジプト脱出。
荒野のテント生活40年の始まりです。水、食物、衣服に困る欠乏時代を経て、
十戒の授与。神様の絶対的愛に支えられます。
出エジプト記には、親は神の代理人として、子どもに敬われ、
平穏な家庭を築くようにとあります。
更には、サムソンの両親の子育てに見るように混乱の時代が続き、
8人の妻を持つダビデは一夫多妻から起こる権力闘争に捲込まれます。
箴言には、次のように子育てが示されています。
「一切れのかわいたパンがあって、平和であるのは、
ごちそうと争いに満ちた家にまさる。」(箴言17:1)

◆PARTⅡ:『新約聖書に見る子育て』
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長)
聖書をどう読むか? 聖書にある子育ての失敗。それは人間の罪深さを示しています。
しかし、神様は失敗しても見捨てない。失敗も良いことに変えて下さいます。
旧約聖書時代の子育ては奴隷任せだった。新約聖書時代になって来ると、
人間関係に重きを置くようになります。パウロは言います。
「父たる者よ。子供をおこらせないで、主の薫陶と訓戒とによって、
彼らを育てなさい。」(エペソ6:4)
「父たる者よ、子供をいらだたせてはいけない。心がいじけるかも知れないから。」
(コロサイ3:21)
☆子どもを質問責めにすると、子どもはイラ立ち怒り出します。
しかし「あ、そう」と相槌を打っていると、自然にしゃべってくるようになります。

◆PARTⅢ:多様化する『養育とゆるす愛』&『ここポート』
講師:山中ゆりか(千葉市専門里親)、今村冬生(カウンセラー)
里親になって、最初の子は虐待を受けた子で、夜中に奇声を発したりして、なかなか
聴いてくれない。ところが、ゆりか先生自身の対応を変えていったら、虐待の子も
変わり始めた。学校での成績も良くて介護福祉の仕事に就いた。そして今では結婚もし、
子どもも生まれるという。
参加者たちは、自分の子育て体験と照らし、「ゆるす愛」の対応の有り方と同じだと
感じたようです。
親に苦労をかけた子どもほど、大人になってから親のことを気遣ってくれるし、
愛情をかけた子ほど、自己肯定感が強く、今では別人のように自立心も高くなって
いるという。  初めての参加者も、引き籠りがちなわが子への参考になったと
顔がほころんでいました。

※ 社会的養護の推進は、子どもたちの自己肯定感だけでなく、
自分発見 の キッカケにもなり、将来への希望へとつながっています。

☆≪子育てセミナー≫(2017.6.9))
✤『愛はすべてを信じる!』
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長)

◆信じる心
「信じる心は」多くの人を豊かにします。 私たちは成長すると同時に、
「信じる心」を失っていきます。裏切られる経験を積んでいくからです。
信じられないと病にもなります。では・・・
◆何を信じるか?
何でも信じたらいいのか? 信じてはいけないものがあり、信じなければならない
ものもある。
① 自分を・・・自分を信じるということはとても大切なことです。ただ、自分を
客観視しないで美化する自己中心的でナルシストである場合と、自分の弱さや
未熟さを認めながら自己肯定感を持っている客観視のあり方では違いが生じます。
自尊心があれば、自分の足りなさを認めながらも、他人を肯定し認めることが
できます。親だとか、学校の先生、クラブの監督、誰でもよいのですが、自分の
ことを無条件で受け止めてくれる誰かの存在が必要なのです。
② 子どもを・・・子どもたちは親を確かめようとします。その意味ではまさに
親バカでないと子は育ちません。子どもは時に嘘を言うこともあります。
だからといって、非難し、切り捨てるのではなく、子どもの本音を補うような
言い訳を作ってあげることも大切なのです。正直であっても見捨てられないと
いう安心感こそが心を育てていきます。
③ 神を・・・私たちを決して裏切らないお方がいらっしゃる。その方こそ私の
子どもの保証人。
“ 信仰は望んでいる事がらを保証し、目に見えないものを
確信させるものです。”(へブル11:1)  
– – – – – それは、私たちにとって不思議な驚きと慰めである。- – – – –
≪神の信仰≫ 神様が私たちを信じてくださっている !!

☆≪子育てセミナー≫(2017.5.12)
✤『愛はすべてを忍ぶ! 』
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長)

◆耐え忍ぶ
忍ぶとは、ギリシャ語の「ステゴ―」という言葉から来ています。「沈黙で覆う、
忍ぶ、耐える、じっとしている」というような意味があります。
愛は自分が誤解されたり、損をしたりしても、あえて耐え忍び、自分は沈黙して
相手を守り抜きます。
◆守るとは、ガードするとは、どういうことか?
Protectとは、守る、保護する、ガードする。相手が責められるような事態が
起きたとき自分は盾になって、相手の矢面に立つ覚悟があるか。
被害者意識が先行してはいないでしょうか?
 Love never gives up.  愛は決してギブアップしない。
相手があなたをがっかりさせるとか、時にあなたを裏切り、あなたの期待にこたえ
てくれないとしても、相手を見捨てず、投げ出さないでいられるでしょうか?
人間の正義は、往々にして自己中心的です。また、自分では「正直」のつもりでも、
必ずしも愛につながっているとは限りません。相手を傷つけている場合もあるのです。

☆「奇跡の子育て術(2017.3.24 / 4.28)」より
✤『ゆるす愛のミステリー』
講師:今村 冬生 (カウンセラー)

~ 愛着障害 & 自然と近付いて来る子どもの心 ~

◆パンダ の 母性愛
最初から母親に育てられたパンダは、大きくなって自分が子どもを育てる番になると、
ちゃんと自分の子を産み育てることが出来るという。
和歌山県の白浜にある動物公園「アドベンチャーワールド」では、パンダの母親と
子どもを引き離さず一緒に過ごさせる飼育方法を採用し、世界屈指の繁殖の実績を
あげ注目されています。要するに、パンダも人間も子どもとの関係の中から母性愛
を育てつつ成長しているのです。

◆愛着障害 の 子どもの特徴
A 他人との優劣のみに関心が向くと、いつもイライラして疎外感が大きく、
自己肯定感がなくなります。
B 心から楽しんだり、喜んだりすることができず、かんしゃくを起こしたり、
パニックを起こしやすい。
C 自分のしたことに責任を持たず、他人に責任を転嫁し、他虐的で動物や自分より
弱い者に残酷である。
D 食べ物を隠したり、溜め込んだり、過度の偏食や暴食に走りやすい。
衝動的で攻撃的でさえある。
E 自分に自信がなく、白か黒か、胆略的で常識が通じない。
パターンに固執し柔軟な考え方が出来ない。
F 忍耐力や集中力が低く、学習障害が起きやすい。因果関係がわからないため、
常識が通用しない。
G 見ず知らずの人に愛嬌を振りまくかと思えば、他人の感情を把握できず、
共感や同情が出来ない。
H 身の回りの不潔さや肉体の痛みに無頓着である。
この傾向はネグレクトの状態で育った子どもに多い。
◎ ≪愛着障害≫は、親子の愛着関係の問題から起こる
≪子どもの脳の未発達が原因≫といわれる。

◆問題行動 と ゆるす愛の魔力 !(2017.4.28)
◇万引きやパニックや非行を繰り返す子は、「自分は悪い子だと思っています」・・・
実は、とてもさびしい子なのです。
◇絵を描かせると、怖い、鬼の顔を描きます。しかも、極悪人や犯罪者に憬れ、
次第に自責の念がなくなってしまう。
◇親子間の愛や、対人関係の絆が傷つき修復できないまでになった時、
回復の一歩を可能にしてくれるのが子どものニーズに従う【ゆるす愛の魔力】なのです。
子どもの短所を指摘することは、害こそあれ一利もないといえる。

◆環境が変われば、子どもは変わる ! 
◇ほめられたい。愛されたい。人に認められたい。自分の存在を肯定されたい。
このままの私を認めてほしい!
◇親の要求水準が高過ぎると、子どもは勉強嫌いになります。
ちょっとした皮肉や批判的な言葉も厳禁です。
◇子どもの成績を他人と比較せず、その子なりの、現状における前進を認めてあげる
ことが大事なのです。
◇子どもの行動はその場の条件によって左右されます。その時々の環境によって
変わっていくのです。
◇故・伊藤重平先生は、セミナーの最後に 『ゆるされなければ、人は安堵しない!』
と必ずおっしゃっていた。
※ 結局、愛するというのは、その子の存在を喜ぶことです!

☆「心の診療室(2017.4.14)」より
✤『社会的養護と心のケア!』
講師:山中 正雄 (精神科医)

◆ 社会的養護の現実・・・今や児童福祉の問題は深刻!
A 児童の虐待や貧困などで、社会的養護を必要とする子どもたちは4万6千人に
達しています。
B 社会的養護の機能・・・養育をはじめ、心理的ケアや、地域支援などがあります。
C 家庭的養護・・・①里親:養育里親、専門里親、養子縁組希望里親、親族里親など。
②ファミリーホーム(小規模住居型児童養育事業)
D 社会的養護の施設・・・①乳児院 ②児童養護施設 ③情緒障害児短期治療施設
④児童自立支援施設 ⑤母子生活支援施設 ⑥自立援助ホーム(児童自立生活援助事業)。
E 里親の国際比較(2010年頃)・・・オーストラリア93,5%、アメリカ77%、
イギリス71,7%、 一番低いヨーロッパの国でさえ49,5%、日本は12%でした。

◆ 社会的養護の推進
A 基本理念・・・①子どもの最善の利益のために! ②社会全体で子どもを育むために!
B 原理・・・①家庭的養護の個別化  ②発達の保証と自立支援
③回復をめざした支援   ④家族との連携:協働
⑤継続的支援と連携アプローチ  ⑥ライフサイクルを見通した支援。
C 社会的養護の基礎づくり・・・家庭と施設を分けてはいけない。
生活支援が基礎をつくります。
D 社会的養護施設の将来像・・・①小規模化と施設機能の地域分散化による家庭的養護の推進。
②本体施設は、精神的不安などが落ち着くまでの専門的ケアセンターとして
高機能化の傾向にあります。
③小規模化の意義としては、子どもの生活に目が届きやすく、個別の状況に合わせやすい。
調理や食を通じて豊かなかかわりが持てるし、地域の中にグループホームを
分散配置することにより、地域での社会的養護の理解が深まります。
E 里親委託の推進・・・小学校2~3年生で、実の親と里子の違いを感じ始めます。
周りの偏見で気付くのです。将来の家庭生活のモデルが、この時期に築かれていきます。
里親の愛着関係の下で自己肯定感が生まれ、基本的信頼感を獲得し、
社会性を培い、生活技術を獲得していきます。新生児里親、親族里親、
週末里親、季節里親の活用もあります。
F 何より、子どもの貧困対策になり、児童虐待の防止にも役立ちます。
G それだけではなく、甘えさせる環境が、支援と自立の調和につながっています。

※ 社会的養護の推進は、里子の自己肯定感だけでなく、
将来への希望へとつながっているのです。

☆「子育てセミナー(2017.3.10)」より
✤『愛は不義を喜ばず、真理を喜ぶ』
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長)

◆ 愛は不義を喜ばない
○「不義」とは・・・不公正、不道徳、悪意、邪悪、不法、不正、悪行など。
例えば人の道に外れた不倫とか、暴力を伴うしつけとか、曲がった道徳とかは
愛ではありません。愛は人を傷つけたり、人に何かを強制したり、人の人権を
奪ったりはしません。
○「不義」を見たり、聞いたり、触れたりすると、心が痛み、悲しくなり、
怒りさえ感じたりします。

◆ 愛は真理を喜びます
○「真理」とは・・・正しく、普遍であり、不変であることです。
愛には、嘘がなく、裏表がありません。ふりをするのは、愛ではない。
真理は人を生かします。
○ 喜ぶということは、感情だけでなく意思が必要です。いわゆる「真理を選ぶ」
という意思を働かせる必要があります。
現実には「不義を喜ぶ」という逆のことも起きるかも知れません。

◆ 親として不義を喜ばないとは・・・?
○ 子どもの前で誠実に生きるとはどういうこと?・・・損得ではなく、曲がった
ことはしない。ごまかさず、嘘はつかない。できない約束はしない。
○ 正しい価値観を持つとはどういうこと?・・・人生において一番価値のある
こととは何か? お金があること? 大きな家に住むこと?
恥をかかず、体裁を保つことでしょうか?

◆ 私たちは善悪の価値観を子どもに教えているでしょうか?
○ 親としては、子どもが正直に生きることを喜んでいるでしょうか?
単に親に恥をかかせたとか、家の格式だけで判断してはいないでしょうか?
○ 批判されても、謙虚に耳を傾けることが出来るでしょうか?
「ごめんなさい」「私が悪かった」と言えるでしょうか?
○ 子どもは我が儘な場合もあります。そのとき、単に怒るのではなく、
「あなたの気持ちは、こうしてほしかったのね!」と、優しく諭すことが出来る
でしょうか?
◎ 自分に罪がないと言う人は、嘘つきか ?
間違っている自分を認められる自分であり得るか !?

☆「心の診療室(2017.2.10)」より
✤『格差社会と心のケア!』
講師:山中 正雄 (精神科医)

◆「日本の貧困 と 格差の推移」・・・
○ 戦後の日本は、不思議なことに「一億総中流社会」といわれる時代を過ごしてきた。
ところが、今は非正規社員が固定化され、若者とお年寄りが仕事から締め出され
貧困に陥ってしまっています。
○ 特に、沖縄や北海道の治安と貧困はひどく、中心都市以外の地域自治は疲弊の
一途を辿っています。
○ 現在、収入低下のリスクにより、家庭生活は変化し学校システムも機能不全に陥り、
かつて国立大学の学費は年間1万円少々であったものが、今は50万円以上に跳ね
上がっています。それなのに、就職はできないという矛盾だらけの社会へと変化
しています。

◆「格差の再生産 と 固定化」
○ 明治以降の日本では、華族、士族、平民と身分制度が改められ、経済的に裕福な
貴族院議員などの政治家や医者などが世襲化され、格差の再生産へと繋がり
固定化されていった。
○ フランスの経済学者トマ・ピケティは、格差の広がりは経済成長に準じて
大きくなり、富める人は増々富めるようになる。格差の拡大が数十年続くと、
社会基盤が揺らぎ戦争が起こりやすくなる。
更に、作家の佐藤優は皮肉にも続けていう。戦争は貧困者を駈り出すことによって、
社会の格差をなくすことに役立っている。
戦争は、軍産複合体によって平等をもたらしていると・・・。

◆「諸外国における格差」・・・不平等との闘い
○ <アメリカ合衆国>・・1%の富裕層と99%の貧困層。
個人主義(グローバリゼイション)の結果。
○ <フランス>・・・・・こちらも個人主義の国ですが、最低賃金はしっかり保証
されています。
○ <韓国>・・・・・・・男女差別に、地域差別もあり、学歴重視だけど、就職は
なく悲惨である。
○ <中華人民共和国>・・特権階級は共産党員で、以前のような家族・親族意識が
崩壊しています。
○ <インド>・・・・・・カースト制度が依然生きており、
低所得者は2/3、女性の識字率は58%。

◆「ソーシャルワーク」と「カウンセリング・ケア」
○ 【もの】+【金】で 幸せは買えるでしょうか?
そこに +【愛】=【神】の癒しがなければ空しいことになりはしないでしょうか ?
○ 学校教育や、地域の共助や犯罪・非行防止、家庭内での自助作業で事足りるでしょうか?
格差社会の進行によって、今、お母さん方は経済的にもメンタル的にも疲れ果てている。
立ち直りのためには、先ず、お互いの問題を持ち寄って、
善意の愛で支え合うしかありません。
【もの】【金】に【人】が加わって、幸せが形づくられます。
神が導く愛の絆が大事なのです。

☆「子育てセミナー(2017.1.13)」より
✤『愛は恨みを抱かない!』
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長) 

◆「恨み」・・・ネガティブエネルギーの背後にあるのは・・・?
○ 相手が思い通りにしてくれない。そうすると、自分のペースが乱される。
○ 自分はいつも損をしていると思う。犠牲を払うことを強制され、不幸である。
○ 不幸にしているのは、「あなた!」であり、「お前だ!」と思う。そして、
相手を責める思いになり、批判し、恨みを感じ、復讐したくなってしまう。

◆「恨み」を抱き続ける限り、人は決して幸せにはなれません。
○ 恨みを抱き続けると、その怨念が相手を責めることになり、
相手に罪を負わせ、責任を負わせるだけでなく、
自分をも「あなたは幸せになってはいけない」と傷つけ続けることになります。
○ 本当に恨みを抱いた自分を素敵だと思えるでしょうか?
自分に嫌悪感を抱かないか? 惨めにならないか?
その時間を他のことに使ったらどうでしょうか? 勿体ないとは思わないか?
○ ネガティブな思いを否定し、押し殺すのではなく、その思いを、一度、
受け止めてもらうことはとても大切です。
自分が何を求めているのか、どうなりたいかを言葉にしたり、
記録に残すことで、自分の怒りや、落ち込みや、自信のなさに気付き、
幸せになるにはどうすべきかを真剣に考えるようになります。

◆「ゆるす」ことと「忘れる」ことの違い
○ <忘れる愛>・・・人のした悪。 自分のした良いことは、
忘れてしまうほどが良い。
○ <忘れない愛>・・・人がしてくれた良いこと。良い思い出。良い言葉。
そして、主のして下さったことは、忘れようにも忘れられない愛となります。
○ イエスは十字架につけられ、犯罪人たち2人も左右につけられた。
そのとき。イエスは言われた。「父よ、彼らをおゆるし下さい。彼らは何を
しているのか、わからずにいるのです。」
イエスキリストの、これが「ゆるしの言葉」なのです。
○ パウロは言います「悪をもって悪に報いず、すべての人に対して善を図りなさい。
あなたがたは、できる限りすべての人と平和に過ごしなさい。
愛する者たちよ、自分で復讐をしないで、むしろ、神の怒りに任せなさい。」
『復讐はわたしのすることである。』 (ローマ 12:17-19)
☆ 自分を不幸に追い込まないためには、
恨みを含め、全てを、神さまにぶつけてみる!

☆「Xmas祝会(2016.12.9)」より
✤『クリスマスの愛と希望!』
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長)
主の栄光が羊飼いたちをめぐり照らし、御使いが、救い主たるキリストの
聖誕を告げた。
パウロは言う。「わたしたちは、神の栄光にあずかる希望をもって喜んでいる。
それだけではなく、患難も喜んでいる。なぜなら、患難は忍耐を生み出し、
忍耐は練達を生み出し、練達は希望を生み出すことを知っているからである。
そして、希望は失望に終わることはない。 なぜなら、
わたしたちに賜っている聖霊によって、神の愛が私たちの心に注がれて
いるからである。」       (ローマ5-2~5)

◆「マザーズの働きと癒し」
山中 正雄 (MCC運営委員長)
「恵み深い天なる神様、マザーズの働きも あなたの御業に導かれ、これを建て、
用いて下さっています。
私たちの悩み悲しみも、どうかキリストにあって、更に生きる喜びを
希望に変え確かなものにして下さい。」
「恩返し」「恩送り」という言葉があります。いろんな方から受けた恩や
神様から受けた恵みを、次々と人々に送っていくという「お裾分け」の考えです。
神様の恵みをそのように広めていきたいと思います。

◆「祈りと気付きの愛餐会」・・・お母さん方の思い
・「親に低く見られて育った私は、いつまでも精神年齢が低く、母親になってからも、
少女のような性格で自信が持てないでいます。60歳になった今でもそうです。」
・「長男は去年1年間休職して、今年の1月から仕事に戻ったのですが、
それでも行ったり行かなかったり、会社には申し訳ないのですが、
居場所があるということはありがたい。
寄り添っていかなければと思うのですが、なかなか親としては悩みの中です。
それでも神様に生かされているというのは本当に感謝です。」
・「私の息子も会社を辞めたのですが、あの時は私も辛かったので、
辞めたらと言ったのですが、今ほどの知識があれば違っていた。
自分も年を取り我慢にも限界が出てきた。山中先生と話して初心に帰ることの
大切さに気付かされ、すべては愛に帰することだと再び知らされた。」
・「自転車で大怪我をして、主人にすべてをやってもらい、
患難の喜びを今は感じています。」
・「息子は引きこもって25年。マザーズに来て、長い年月の中で、
引きこもりの息子を認められるようになり、ダメな自分にも気付き、
ここ数年の間に自分をも認められるようになって、感謝しています。」

☆「奇跡の子育て術(2016.10.28/11.11)」より
✤『気付きが変える価値判断』 = お母さん方 の 体験発表 =

~ 子育てに変化をもたらしたのは、「ゆるす愛」の気付きからだった !? ~
講師:今村冬生(ファミリー・カウンセラー)

◆【DoingからBeingへの気付き】~ Nさんご夫妻の場合 ~
Nさんの娘さんは、中学生の時、さびしさから友だちとシンナーを吸うように
なっていた。心配したお母さんはマザーズに相談。伊藤重平先生は既に故人と
なっていたので、今村冬生がカウンセリングに応じた。
≪娘さんが夜遊びして帰って来ても、何もなかったように迎えること。≫
≪シンナーについては例え、吸っていても触れない。≫
≪「寒かったね」「お帰り」「温かいものがあるよ」と自然体で応じる。≫
≪そして、娘さんが無事に帰って来たことは感謝じゃないかしらと伝えた。≫
『 これがまさにBeingです。』

・ Nさんは、ご主人や、姉、兄にも、マザーズでの対応の仕方を話し、
協力を頼んだ
姉も兄も理解してくれて、シンナーのことには触れなくなった。
ご主人は、娘さんから「車で迎えに来て」といつ連絡が来るかわからないので、
好きだったお酒も飲まず、待機するようになった。

・ ニーズに沿うゆるす愛 
お父さんがニーズに応えるようになって来たら、娘さんもお父さんの気持ちを
理解し始めたという。
「今日はお酒飲んでも良いよ。お迎えはいらないから」というようになった。
釣り好きだったご主人は、娘さんが変化していく様子を、
「魚がヒットしたような感触です」と電話の向こうで話しながら、
感激のあまり声を詰まらせた。私の目からも涙が溢れ出ていた。

◆【DoingからBeingへの気付き】~ Oさんの場合 ~
父親の厳しさもあって引きこもりになった息子さん。自殺まがいのこともあった。
お母さんはマザ-ズの『ゆるす愛』を実行。時間はかかったが、
息子さんは高校を卒業し、デイサービスの送迎の仕事に就いた。が、
長続きせず3回目の引きこもり。ところが趣味に目覚め再び働き出す。
今は無理をしないで週に3日のドライバー、趣味のピアノ練習、ゲームと、
人生を楽しんでいる。ゆるされた人は他人をもゆるすようになるもので、
最近は、お父さんも僕のことを考えてくれていたのだと余裕の言。

◆【DoingからBeingへの気付き】~ Fさんの場合 ~
「ほめ言葉は、用を作ってでもほめること!」故伊藤重平先生の教えに
徹底的に従ったFさん。腰痛で動けなかった時、洗濯物を娘さんに運んでもらい、
そのことを感謝したら、次からは干してくれるようになった。
高級ブランドのバッグなどをねだっていた娘さんが、働きにも行くようになり、
洗濯もする。常に誉め言葉をメモし忘れないように長年続けてきた。
今、娘さんは別人のようだという。

存在そのもの(being)を喜び、感謝することで、
まさに、奇跡が生まれているのです。

☆「子育てセミナー(2016.9.23)」より
『愛はいらだたない!』
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長) 

◆ いらだつ原因はどんなとき?
○ 心に余裕がないとき    ○ 忙しいとき
○ 疲れているとき      ○ 自分のペースが乱されるとき
☆ 自分が必要とされず、相手が思い通りに動いてくれない!

◆ イライラの三箇条
1、いろんなことを 一度にしようとするとき・・・
人間にはできるキャパシティ-があります。
全部を完璧にしようとすると、心や体が壊れてしまいます。
優先順位をしっかり立て、完璧にできない自分を良しとする。
人間は一番大事なことや面倒なことは残してしまう傾向にある。
すると、やたらに気になりイライラします。
2、「私だけ」と思うひとりが好きな人はいますが、まるっきり一人で
生きていける人はいません。
しんどいことも、誰かが横にいて一緒に担ってくれると楽になるものです。
3、「させられている」と思う。イライラしているのは○○のせいだと思う。
しかし、正確に言うと、「させられている」のではなく、
イライラすることを「選んでいる」のです。

◆ いらだたない愛の世界・・・愛がなければ無に等しい!
○ 先走りして裁くのではなく、一瞬立ち止まってみる。
勘違いで相手に怒りをぶつけてしまうことも多いからです。
今、私がイライラしているのはなぜだろうと考えてみる。
○ 子どもや相手の失敗を単に咎めるのではなく、想像力を働かせ、
言い訳を考えてあげる。
○ 私を主語にして話をするようにする。
『私は』あなたの話を聞いているとつらくなる」など。
○ 自慢話とか、苦労話とか、一方的に話をするのではなく、
ちょっと気分転換を図り、他者の話にも耳を傾けることが大事です。
☆ 相手を変えることは難しい。しかし、自分は変えられます!

☆【奇跡の子育て術】(2016.9.9)より
『ゆるす愛のミステリー』
講師:今村 冬生 (ファミリー・カウンセラー)

✤【欲求への対応】~ この子は、私に、何をして欲しいのだろうか !? ~

◆ 愛情貴族 と 愛情乞食 
愛情たっぷりに育った「愛情貴族」と、いつも愛に飢えて育った「愛情乞食」
この違いは人生を生きる上で、どのような違いとなって現われるのでしょうか?

◆ 親の思い と 子どもの欲求
私が中学生の頃、姉は、子どもを可愛がれば可愛がるほどに優しく育つと
言っていました。私もそれを聞き、美味しいものをたくさん食べさせ、
やさしい子に育てたいと思っていました。
そして、私は、この子をどうしよう。何をしてあげよう。
何を買ってあげようかと、そんなことばかり考えていました。
この子が何を考えているかよりも、いつも、私の思いが先行していたのです。

◆ 伊藤重平先生との出会い
愛はもらうものではなく、与えるものであると良く言います。
受けたいなら、与えなさいとも言います。
故・伊藤重平先生は、お母さんが好きで与えるのと、子どもが望むものを与える
のでは、大きな違いがある。一方的に親の側から与えるのではなく、
子どものニーズに沿って対応していくことの大事さを強調していました。
私にとって、この子育て論は、目からウロコが落ちるほどの考え方の違いでした。

◆ 先ず、自分の心を見つめることから始めたい ! 
自分の怒りや哀しみや重たさは、一体、どこから来ているのでしょうか !?
自分の価値判断の中に過去に受けた両親や先輩や友人たちの悪影響が残っては
いないでしょうか。  先ず、自分の価値判断を見直してみましょう。
そうすれば、子どもたちのニーズも見えて来ます。
お母さん方にとっても、子どもの頃に求めた親の愛は、今も消えていない筈です。

◆ Doing and HavingではなくBeingを大切に!
私たちは、今まで、何かをすること(doing)にすべてを傾け、それを達成し
認められること(having)に、神経を注いできたように思います。
そうではなくて・・・・・
存在そのもの(being)を喜び、感謝することをもっと大切にしたいものです。

☆「心の診療室(2016.6.24)」より
『双極性障害の理解とケア』
講師:山中 正雄 (精神科医)

✤ 実は、うつ病と診断された人の 約10人に一人が
≪双極性障害≫ = うつと躁の混合タイプなのです!

◆ 鬱タイプ:感情の病で、元気がない状態
気分障害ともいわれ、悲観的で無気力で、孤独感や劣等感に苛まれ、
活動性も低下し、体力、能力に自信が無く、不眠や食欲が減退し、
疲れやすく、生気感情の喪失に陥る。

◆ 躁タイプ:元気すぎる状態
表情は生気に溢れているが、つまらぬことに感激したり立腹したりする。
考えが次々と浮かび流暢な話し方ですが、駄洒落が多く、脱線することも多い。
じっとしておれず、誰彼かまわず電話をしたり、やたら手紙などを書く。
健康感にあふれてはいるが、疲れを知らず、不眠不休で活動を続ける。

◆ 混合タイプ:うつ、躁の移動期に存在
気分が落ち込んで不安なのに、頭の中では「ああでもない、こうでもない」
と色々考え、じっとしていられない。
気分はうつで、考えと行動は躁という状態の人がこれ。

不安障害の人は50%以上。アルコールなどの薬物依存症も50%以上。
パーソナリティ障害の合併は30%以上。
肥満など身体疾患の合併も多く50%以上。

◆ 双極性障害に関連していた因子
大うつ病の初発年齢は25歳未満。几帳面でお人よしの人に発生し易く
春と秋が多い。 転職や移動の時期、婚約解消や出産、近親者の死など、
外からのストレスの影響を受けやすい。
注意しなければいけないのは自殺の危険性。特に病気の治りかけが危ない。

◆ 治療と具体的な接し方
うつ状態のときは病気であることを認め、叱咤激励しない。
薬は医者の処方箋に従ってきちんと服用させる。
以前は抗うつ剤としてパキシルなど、死に対する恐怖心がなくなるSSRI系の
薬が使用されていたが、最近は安定剤が多く使用されています。
結果、自殺率も低くなって来ました。

躁状態の接し方で大事なのは、あまり口論をしない。
落ち着くまで根気よく待ってあげる。
思い込みで行動を起こす傾向にあるので、忍耐強く待つ。

具体的な工夫としては、一人きりにしないこと。
家族やスタッフのみんなとチームワークを作り手助けをする。
趣味を楽しむフレキシブルな生活へと導く「絆」が大事です。

☆≪子育てセミナー≫(2016. 6.10) より
『愛は利益を求めない! 』
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長)

◆ 自己中心ではない愛?
「愛している」と言いますが、何らかの見返りを求めてはいないでしょうか・・・?
計算づくめで、条件付きの愛。そうではなく、見返りを求めない、
無私の愛に立てるでしょうか。

◆ 愛は計算しない・・・損得勘定を超えたもの?
親であることは損か得か。この人と結婚したことは損か得か。
愛は犠牲をいとわないと言うけど、誰のための愛なのか?
子どもから、神から、自分が与えられている利益を思ってみてはどうか?

◆ 神の計算・・・価値観の変換
パウロ「わたしはもとより、肉の頼みや、律法の上ではパリサイ人、
熱心の点では教会の迫害者として、落ち度のない者であった。
しかし、わたしにとって益であったこれらのものをキリストのゆえに
損と思うようになった。それらは糞土のようなもの。
今は、キリストを信じる信仰による義によって、絶大な知識を得ることができる
ようになり、その価値観の変換ゆえに、それまでのことを損したと思っている。
(ピリピ:3-4~9)」

・・・ 神様から与えられたものは数限りない。子どもも、私も神様のもの。
やはり、子どもがいなければ、今の私はない!

“ 神は、神を愛する者たち、すなわち、ご計画に従って
召された者たちと共に働いて、万事を益となるようにして下さることを、
わたしたちは知っている。”(ロマ:8-28)

≪子育てセミナー≫ (2016.5.13)より
『愛は礼儀正しい! 』
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長)

◆ 礼儀とは相手を大人扱いすること
ショーペンハウエルは「礼儀は賢いことであり、非礼は愚かなことだ。
非礼を不必要に気ままに行うことによって敵をつくることは、我が家に
放火するようなものだ。」と言っています。
また、新渡戸稲造は「真実と誠実となくしては、礼儀は茶番であり、
芝居である。」と言い切る。

◆ では「礼」とは何でしょうか?
親しき仲にも礼儀ありと言いますが、愛においても「礼を失せず」という
気配りはとても大事なことです。
相手の立場に立ってものを考え。人のテリトリーは犯さない。
敬意を表し、感謝する。

新渡戸稲造著「武士道」の「礼」には、炎天下、日傘を持っていなかった
相手に自分の傘を折りたたんで応対した。
その様子に「なんと馬鹿げたことか」と批評をした人がいた。
これに対し、新渡戸稲造は相手の苦痛を分かち合おうとする優しい態度だ
と応じている。
「相手を思いやる心が礼の基本」というわけです。

☆【奇跡の子育て術】(2016-04-22)より
『ゆるす愛のミステリー』 ~それぞれの思い・・・?~
講師:今村 冬生 (ファミリー・カウンセラー)

子どもがいて、夫がいて、他人がいて、自分がいて・・・
その一人一人に感情や感性があり、そこにはズレも起きます。

◆ 沈黙は金、果たしてそうか?
自己肯定感が低い。良く思われたい。誰にでもにこやかに付き合う。

<毒親>だったから。自己主張のみで、苦手なコミュニケーション。
お互いの思いのズレに疲れ果て、ストレスがたまり堂々巡りしてしまう。

◆ ズレをどう捉えるか?
どんなに価値観が一致していても、その日の出来事や気分などによって、
気持ちや意見にズレが生ずることは自然なことです。
ズレがあることそのものは問題ではありません。
しかし、そのズレが悩みを引き起こすとなると話は違ってきます。
平行線。行き詰まり。言葉より不満げな態度でにらみつける。
客観的に解決不可能なほどズレが大きくなったら、離別しかない。
熟年離婚という方法もある。でも、親子間の間ではそう簡単ではない。

◆ 対人関係療法!

✤「かけがえのない重要な他者」・・・
子ども、夫(配偶者)、親、恋人、親友。それぞれの重要な他者の役割を考える。
先ず、それぞれのズレを明らかにし、ズレを解決するための選択伎を選び、
試してみる。 それでもダメならどうしたら良いのでしょうか?・・・
≪相手への期待を変えるか、コミュニケーションの方法を変えてみてはどうでしょうか?≫
重要な他者の周りには、親せきや友人がいて、その周りには仕事上の人間関係も
築かれています。

✤「重要な他者の役割」・・・
家族の中での役割や社会的役割も考えてみる。今は病人で休養を取る時と受止め、
見守ってあげる。
子はカスガイという。どんな子でもその子なりの役割を果たしています。
やれるところをしっかりと受止め、それぞれの役割を果たす。
そうすることで、思いがけない気付きに出合うことでしょう。

☆「心の診療室(2016.4.8)」より
『超高齢社会における共生とケア』
講師:山中 正雄 (精神科医)

◆ 超高齢社会に突入した日本
65歳以上のお年寄りが人口の21%を超えた状態を超高齢社会といい、
日本は20年後には3分の1が高齢者となり、老化によって認知症の人も増えると
予想されています。

◆ 認知症における二種類の症状
①中核症状・・・様々な記憶障害や、時間・場所等がわからないとか
人の判断が出来ない見当識障害、更には、体が動かせなかったり、
計算や判断ができない認知機能障害もあります。
これらの症状の人は脳の特に海馬の部分に障害が大きく簡単には良くなりません。
②周辺症状(BPSD)・・・幻覚、妄想、抑うつ、羞恥心、徘徊、暴言、暴力など、
真理的症状や認知症行動の人は、まわりの対応や環境によって改善が見られ
良くも悪くもなります。

◆ 本人本位の支援と共生
本人が生きていくのにより良い支援とか共生の仕方って何でしょうか?
先ずは認知症をそのまま認めて上げること。記憶をどう補ってあげるか。
時間をかけて、静かなところで、ゆっくりと話をします。
言葉でダメなら、紙に書いて補うようにする。
家族や友人やケアパートナーとの双方向の理解が大事。
認知症の人にも感性・感情(気持ち)は残ります。
特に、嫌な気持ちや喜びの気持ちは残るのです。
ケアパートナーは「扉を開く人」。
認知症の人は孤独からの解放を望んでいます。絆が大事!

☆「子育てセミナー」(2016. 3.11)より
『愛は高ぶらない! 』
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長)

◆ 人は、なぜ《高ぶる》のか?
高ぶりとは自分を実際以上に大きく見せようとすることです。
①自分に自信がない。
②一番でないとダメという恐れ(価値観の呪縛)がある。
②自己の客観視が出来ない。
④人間関係をいつも比較や勝ち負けで考えてしまう。

◆ では、高ぶらない生き方とは・・・?
①ありのままの自分を受け入れる
・・・良いことも悪いことも含めて全てを受け入れる。
②へりくだって生きる・・・他者を自分よりも優れたものとして認める。
③他者に聞き、学ぶ姿勢を持つ。
④成長し続ける・・・完璧はない。いくつになっても学び続ける。
⑤自分の弱さを認める
・・・自分の弱さがわかるということは、弱さを認める強さがあるということ。
⑥仕えられるのではなく、仕えることの大切さ。
⑦謙遜になりきれないことも知っている自分。
⑧感謝することの大切さ・・・「ありがとう」は高ぶらない生き方の奥義なり。
⑨神を恐れる・・・私よりもっと大きな方がいらっしゃる。
⑩聖書:
“ だれでも、自分を高くする者は低くされ、自分を低くする者は高くされます。
だから、あなた方は、神の力強い御手のもとに、自らを低くしなさい。
時が来れば神はあなたがたを高くして下さるであろう! ”

☆「心の診療室(2016.2.26)」より
『自己同一性と心の病 ~E・H・エリクソンの視点~ 』
講師:山中 正雄 (精神科医)

◆ アイデンティティ=自己同一性への旅!
児童精神分析家のエリクソンは、個人の成長とコミュニティの変化に注目しつつ
「発達理論」を唱え、人間はライフサイクルに伴って変化し、一生成長し続ける
と説いた。

0~1歳:世界を信じることが出来るか? 母親との関係性が大きい
授乳期、信頼の第一歩です。
1~3歳:私は私でよいのか? トイレトレーニングや更衣等の自律期の現象。
3~6歳:探検、道具の使用、芸術表現。
6~11歳:学校,スポーツ等で人々と交流できるか?

◆ 青年期:思春期の混乱と主体性の確立
11~19歳:私は誰か?誰でいられるか?
社会的不安と自己同一性。本当の自分探し!

◆ 人間存在と自我の統一
20~39歳:恋愛関係を上手にできるか?
40~64歳:仕事や親の立場にうまく対応できるか?
65歳~ :人生の反響として私は私で良かったか?
年を重ねるということは面白い冒険の連続。
学び続ける毎日であり驚きにみちた日々。
そう思うと、一日一日がワクワクしませんか!

☆「奇跡の子育て術(2016.2.12)」より
『ゆるす愛のミステリー』~失敗は宝の山!~
講師:今村 冬生 (ファミリー・カウンセラー)

◆ 失敗は宝の山!
失敗するということは、何かにチャレンジしたということではないでしょうか。
誰でも新しいことに挑んだ時は最初から成功するとは限りません。
失敗に失敗を重ね、その失敗から多くのことを学び取った人が成功する
チャンスを掴むことになります。
何もしない人より、宝の山を目の前にしているというわけです。

◆ マイナスを転じて、福となす!
カウンセリングに来たお母さんの中に、自分の言うことを聞かない子どもに
辟易し、交通事故か病気で死ねば良いと望む方がいました。
そのとき効果的だったのがマザーズの「ゆるす愛」の奥義です。
先ずは、子どもの現状を認めることから始めました。
「形から始めれば、心は後からついて来る!」という故・伊藤重平先生の教えでした。
・・・「ゆるすという行動」で、子どもの心に変化が現われ始めたのです。

◆ 【愛は裁かず】伊藤重平著から
子育てのことは果実の栽培とまことによく似ていると思ったことがある。
山の畑で黄色に実る夏蜜柑も、まだ実が小さくて青いころの冬の夜、
温度が下って冷えこむと、少しの風でも実が落ちる。
しかし十月ごろに、夏蜜柑の好む肥料を多めに施すと、冬になって風が吹いても
落ちないという。

割れない鉱石も石の割れ目を打てば、容易に割れる。熟練工はよくそれを知っている。
人間の困った心を砕くにも、ただ訓戒したり叱るだけでは、いくら時間をかけても
むずかしい。しかしその心の割れ目を打てば、容易に砕ける。

人間には過ちをしたとき、外部から裁かれ責められることから逃れたいという
根強い欲求がある。そこが心の割れ目である。
[ゆるす]ことは心の割れ目を打つことになる。そして、ゆるすには赦す理由が
ついていると、人間の理性は、そのゆるしを抵抗なく受容できる。

◆ 柔道家・野村忠宏さんに響いた父の言葉
五輪柔道金メダル三連覇の野村忠宏さんは、小さい頃、天理大学柔道部監督の
お父さんから真剣に教えを受けることはなかった。
それまでは楽しく柔道に親しむだけで、自分なりの工夫で勝てるようになってからだ。
「柔道の基本の技を磨かなければ強豪には勝てない!」と父に初めて言われた。
彼はそれから国際試合を意識するようになり、必死で技を磨いていった。
「 すべてには、それ相応の、心に響く時がある !! 」

◆ 左手のピアニスト・舘野泉さんの場合
彼は東京芸大を首席で卒業し、世界各国の演奏会で熱い支持を得て活躍していたが、
2002年、脳溢血で右半身不随となる。
しかし、2年後「左手のピアニスト」として復帰します。
父は泉さんを小さい時から枠にはめなかった。
母も「はみ出すくらいが面白い」と言って育ててくれた。
だから、舘野泉さんは「人生でいつも大きな空間が持てた」と回顧しています。
・・・ ゆるすことは 愛となる!・・・

☆「子育てセミナー」(2016.1.22)より
『愛は自慢しない! 』
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長)     

◆ 自慢することの落とし穴
「親バカ」とよくいわれるが、親が自分の子どもを自慢するのは良いとして、
自分の長所と思われることを人との比較の中で位置づけ価値を決めていく
となったら、それはとても苦しいことになりかねません。
また自己過信に陥ってしまうと、反省することがなくなり成長がストップします。
自己陶酔では他者への接し方がわからなくなります。
他者を認め、尚かつ自分の良い面も認めることが大事なのです。

◆ 自慢しなくても良い生き方!
ナルシズム(自己愛性人格障害)とは、自分だけを対称にする愛のことです。
自分は特別だと信じ、特権意識を振り回し他者を自分の期待に従わせる。
他人の気持ちや欲求を理解しようとしない。それなのに嫉妬深くて尊大で傲慢。
他人への感謝の気持ちに欠けてしまう。
“ 大事なのは、自分も肯定しながら、他者の良いところに目を向け
褒めていく。お互いの良さを認め合う関係が素晴らしい生き方へと
繋がっていくのです。”

☆「心の診療室(2016.1.8)」より
『限界状況と心の病 』~V・E・フランクルの視点~
講師:山中 正雄 (精神科医)

◆ フランクルの体験
オーストリア国籍の、ヴィクトール・エミール・フランクルは、
1905年3月生まれの、1997年9月没。ナチスの強制収容所で両親及び、
妻と2人の子どもを失う。が、精神科医、心理学者として92歳の生涯を送る。
著書には「夜と霧」「死と愛」があり、アメリカで最も読まれた本の
ベスト5に入っている。

◆ 限界状況の特徴・強制収容所の現実
A. 自由の喪失:囚人番号が付き名前がなくなる。
B. 暴力の恐怖:同じユダヤ人を管理者にして支配。
C. 死の恐怖:障害者の断種、ユダヤ人の絶滅。
D. 無気力と死への逃避:悪夢から覚めても尚も最悪。

◆ ロゴセラピー(人生の意味を重視する実存心理学)
・・・東日本大震災にも通じる心理療法。
「三つの価値領域」・・・厳しい状況の中でいかに生きるか? 意味による癒し。
① 創造価値:「私は、この人生で、今、何をすることを求められているか」
② 体験価値:「私のことを本当に必要としている人は誰か。その人はどこにいるか」
③ 態度価値:「人生には死ぬまで意味があり、それぞれに使命(ミッション)がある」

◆ 運命なき自由は不可能:フランクルの名言
人間は重力によって大地にしばられ運命づけられている。それなくして
歩行は不可能だし自由はただ運命に対する自由でのみありえる。
我々は人生に問われている立場であり、我々が人生の答えを出さなければならない。
私たちはその運命を信じ行動し、決して人生の戦いだけは放棄してはならない。

◆ 心のむなしさを超える幸せ
幸せは目標ではないし、目標であってもならない。
幸せとは、結果にすぎないのです。マザースの「ゆるす愛」も人間の尊厳を
大事にします。ゆるされた人は、ゆるすことが出来るようになります。
几帳面で、反省し過ぎると強迫神経症になってしまう。
反省を減らすことが大事です。
赤塚不二夫の「天才バカボン」ではないが「それでいいのだ!」と、
アバウトな行動も必要なのです。また、涙を恥じることもありません。
その涙は、苦しむ勇気を持っていることの証なのですから。

神さまから問われていることを、自分自身で意味付けし、
信仰をもって決断し、何があってもあきらめず、光の世界へ向かって生きる。
ここに究極の幸せが存在します !?

☆「Xmas祝会(2015.12.11)」より
『神は我々と共におられる』
山中 正雄(MCC運営委員長)

キリストのお祝いは、「イースター」の復活に始まり、
救世主の生誕である「クリスマス」の祭りへと続きます。
マタイ福音書には
「インマヌエル=神は喜びも悲しみも我々と共におられる」
と記されています。

◆ 「更なる祈りの愛餐会」
マザーズのお母さま方の祈りと喜びの内に愛餐会が持たれた。その中で
12月に行われた【庵-IORI-】というひきこもりの集会が話題になった。
マザーズからも今村と2人のお母さんが参加。スタッフも含め総勢100人以上。
マザーズのお母さま方にとって何よりの収穫となったのは
「人間関係を持ちたい!」というひきこもりの人たちの切実な声でした。
40歳になって参加した男性は親の心配がわかるという。
お母さんにハグされたかったと訴えた女性。
最初の数回は集会室に入れなかった人が今はスタッフとして手伝っている。

神は我々と共に苦楽を共にして下さり、我々は賛美によって
真の光に触れ新しい命に生きる者とされます。

☆「奇跡の子育て術(2015.11.27)」より
『ゆるす愛のミステリー』~ほめることの大切さ~
講師:今村 冬生 (ファミリー・カウンセラー)

◆ 自己肯定感が生まれ,自分の居場所が確立される
誰でも褒められたらうれしいものです。褒められれば自尊感情が生まれ、
自分の居場所が安定します。
失敗した時でも、それまでの努力を評価されたら、またチャレンジしようと
いう気持ちになります。

プロセスを褒めることは最も大事な褒め方の一つなのです。
褒め言葉を忘れないようにメモし声掛けをしたお母さんがいます。
今、その子はお母さんの手伝いだけでなく、自立して、別人のように、
生まれ変わっています。
褒めることを見つける子育てから、褒めることをつくる子育てへと
努力した結果ではないでしょうか。

◆ しかし、ほめることの中には、危険も隠れています!
最近、褒めることは良くないという著作や論調が聞かれるようになってきました。
確かに「いい子でいなければ怒られる、否定される」と消極的な方向に
行きがちです。では、叱咤激励すればうまくいくのでしょうか。
しかし、常にいい子でいなければならないと怯えるあまり、こちらの方法でも
自分自身では何も選べない人間になってはしまわないでしょうか。
≪否定すれば人間を狂わせます≫
「褒める」ことが悪いのではなく、「褒め方」の問題なのです。

☆「心の診療室(2015.11.13)」より
『生きがいと心の病』~ 神谷美恵子の視点 ~
講師:山中正雄 (精神科医) 

◆ 人間存在の重み
✰神谷美恵子は21~23歳の時、結核に罹り療養生活を送った。
同じ結核を罹った友人たちが次々と亡くなっていく中自分は生き残った。
その「賜物」をどう生かすか。精神科医になってからもその思いは深まっていく。
そしてハンセン氏病患者と向き合った時、彼女は衝撃を受けた。
障害を持ちながらも彼ら一人ひとりが個性を持ち能動的に生きている。しかも、
ハンデの重い人ほどお互いを助け合い、支え合い、生きようとする気力を見せる。
彼女の「生きがい」という著作は自分探しの旅でもあり生への再発見でもあった。
人間の病気で一番重いのは、疎外感と孤独感なのです。
どんな環境でも能動的に主体的に生きていく。
「つぶやきは生きがいの敵だ!」とまで言いきる。

◆ いのちの喜び
✰自殺を踏みとどまらせるものは、悲しみとの融和であり、肉体との融和であり、
死との融和であり、価値体系の変革なのです。
弱気を受け入れ、苦しみと融和していくことで、暗闇の中に光が見えてきます。
苦しみがあるから喜びとなり、新しい発見へと繋がり、自己変化が起き,
社会化し、再生への道を辿るようになります。
人は改心や回心によって、神秘的な自然との融合体験や宗教的変革体験を
味わうことになります。「生きがい」と「宗教」は一体なのです。
 先ずは自分の心に、悲しみや不安や苦しみや運命への反抗に、
率直に耳を傾けてみることです。

☆「特別講演(2015.10.23)」より
『自立心を育てる親の愛』
講師:山中正雄 (精神科医)  今村冬生(カウンセラー) 

◆ [ひきこもりからの脱出!]
「ひきこもり」は個人主義の行過ぎた結果。高学歴の両親の家庭に多く、
終わらない思春期ともいわれています。
山中先生は「ひきこもりの最大の環境はお母さんである」という。
家庭内暴力が表面化してはじめて親は真剣になるが、上から目線で接しては
絶対にいけない。 しかも、犯人探し、原因探しはしないこと。
状態が深刻でも、明るく寄り添い続ければ、回復も早くなります。
MCCでは、同じ苦しみを持つお母さま方が、子どもの気持ちを理解するため、
お互い励まし合う自助グループの会を持っています。

◆ [伊藤重平先生の基本中の基本]
カウンセラーの今村は、マザーズが継承している故・伊藤重平先生の原点を紹介、
その大事さについて触れた。
欠点を怒るのではなく、その子の奥深い心底には愛着障害が潜んでいることを
理解する必要がある。だから・・・
子どもの辛い気持ちに耳を傾け、長所を共に喜ぶ子育て論を強調した。

「父親たち、子どもをいらだたせてはならない。
いじけるといけないからです。」(コロサイ3:21)

☆「心の診療室(2015.10.09)」より
『甘えと心の病』~ 土居健郎の視点 ~
講師:山中正雄 (精神科医) 

◆ 甘えの病理・・・
義理と人情、他人への遠慮、罪と恥。これらは甘えの構造から生まれている。
a)「とらわれ」の心理・・・神経症 ➟ 心身症へ進む。
b) 対人恐怖・・・甘えたくても甘えられない心理。
c) 同性愛的感情
d)「くやむ」と「くやしい」・・・これらの感情から自立心は芽生えてくる。

✰土居先生は、甘えと自律心は呼応し合い、プラス面を伸ばせば
マイナス面が減ると訴えます。

◆ 甘えと現代社会・・・
子どもの世紀といわれるが、果たしてそうか…?!
a) 青年の反抗  b) 現代人の疎外感  c) 父なき社会
d) 連帯感・罪悪感・被害者意識 ?

◆ 甘えと日本人
a) 日本における人間関係・・・他人からの甘えは復元力を増すことになる。
b) 甘えの普遍性と批評。

✰日本では個人と集団の関係を[節度のある甘え]と[おもてなし]で表現。
これこそが相互扶助の精神なのです。

◆ 甘えの課題と信仰
✰ 自己分析・・・プラスを伸ばすとマイナスが減る。
「自己像の修正」にこの方式は有効に働く。
✰ 自己受容することで自律心が芽生え自立する。
但し自立し過ぎは危ない。独断的になり易い。
✰ 母なる教会・・・復元力の場として、聖霊が宿る場として、
教会は甘えられる場所でもあるのです!

☆【子育てセミナー】(2015-5/8~9/11)より
『神の愛とは どんなもの?』 (コリントⅠ-13-4)
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長)

◆  愛は忍耐強い (5/8)
パウロは「愛がなければ、私は騒がしいドラ、やかましいシンバル。
愛がなければ、無に等しい」と言い、信仰、希望、愛の中で、
最も大いなるものは【愛】である。そのように力を込めてコリント人へ訴えた。
コリントⅠの13章4節、その最初に出て来る言葉が「愛は忍耐強い」という
言葉です。 「寛容で」「辛抱強く」「許す心」・・・
しかし、私たちは忍耐しきれないことがしばしばあります。
やせ我慢すれば良いのでしょうか?
無理をすれば、その心は相手に伝わってしまいます。
そのような時に大切なことは【忍耐】・・・
愛を示して下さる大いなる神さまを信頼することです。

◆  愛は情け深い (6/26)
愛は親切です。親切の裏には何があるでしょうか?
益を求める下心が隠されているでしょうか?
ところが、神の愛は「アガペー」です。
・・・益を求めない無条件の愛なのです。情け深い愛なのです。
「怠け者には恋愛はできない!」という箴言があります。
怠惰な自分に勝つこと。自分の喜びにふけろうとする欲に勝つこと。
他人に対してサービスの精神・態度・立場を取ること。
それが[情け深い愛]なのです。
日本キリスト改革派の榊原康夫牧師もそのことを強調します。

◆  愛はねたまない! (9/11)
ねたみの生まれる条件は、自分と相手がほぼ同じような能力・背景・境遇に
あるにも関わらず、自分は不当な扱いを受けていると自己憐憫の状況に
陥ってしまうことにあります。
他人の芝生は青々として良く見えるのです。可哀そうな私と思い、
相手の不幸を思います。それどころではありません。逆に、
ねたみを持つ自分に怒りを持ち、劣等感に襲われ、みじめになってしまう。
日本人は人との比較の中で評価しようとしますが、
パウロは、自分を可哀相と思うのではなく、
喜ぶ者と共に喜び、泣く者と共に泣きなさいと言っています。

 ≪全てのことに感謝しなさい!≫ 
お母さんが幸せだと、子どもたちも幸せなのです。

☆「一泊研修会(2015.07.10~11)」より
『絆が育む心世界! 』
講師:山中正雄・錦織 寛・山中ゆりか・今村冬生

◆ 心の絆と脳! (山中正雄)
母と子の絆は出生前のお腹の中から始まり、3~4歳頃には心が出来上がるという。
人は物理的行動は予測できるが、相手の気持ち[心]を読み取る
ことはなかなかできない。前頭前野と側頭葉が反応して心を動かす。
つまり心と脳は連動しているのです。
お母さんの言葉かけやおしゃべりが子どもとの絆を生み自己肯定感へと
繋がっていきます。反対に絆を損なうような体験をすると、
PTSD(心的外傷後ストレス障害)を起し、
突発的なフラッシュバックなどの再体験に悩まされます。ということは
親近感の持てる人とは信頼関係が生まれ、絆も育っていくということです。

◆ 男と女は神に似せて創られた! (錦織 寛)
マズローの人間の欲求に関する考え方によると、
無条件で自分の存在を受け入れてくれる他者がいるということ。
又、自分の存在が他者から必要とされているということ。
この二つの条件が自分の欲求を充たす大きな幸せであり、自立を促す源と
なっているのです。
この絆を壊すものが[罪]であり、
この絆を回復してくれるのが[救い]ということでもあります。

◆  前座失格! (山中ゆりか)
今年の春、一人の男の人が私たちの教会を久しぶりに訪ねてきた。
その人は去年の1月にボロボロな格好で現れて食べ物を要求、
2週に1回位の割合で現れていましたが急に来なくなった。
実は、彼は小さい頃から落語が好きで丸暗記するほど。
ある師匠に弟子入りしたが、「おれにとってお前がいること自体が暴力だ!」と
言われ、そこを飛び出した。
30歳の頃で、私たちの教会に現れた時は50歳を過ぎていた。
彼はお礼だと言って自作の「前座失格」という一冊の本を差し出した。
原稿を出版社に持ち込むと、マニアックだが面白いと言って本にしてくれた。
期待していた母は既に亡くなっていたが、これでやっと自分をやり直せる気に
なったと話し、帰って行ったという。

◆  お母さま方の貴重な体験!
お母さま方からもそれぞれの貴重な体験談が語られた。
「ほめ言葉は、用を作ってでもほめること!」故伊藤重平先生の教えに
徹底的に従った大阪から参加したお母さん。腰痛で動けなかった時、
洗濯物を娘に運んでもらい、そのことをほめたら、
次には干してくれるようになった。働きにも行くようになり、
洗濯もしてくれるようになった。
常にほめる言葉をメモし、忘れないように長年続けてきた。
そうしたら、今、娘は別人のようになった。これぞ奇跡の体験談なのかも知れません。

☆「心の診療室(2015.06.12)」より
『児童虐待と心のケア』
講師:山中 正雄 (精神科医)

◆ 虐待の被害・影響!
小さい乳幼児の時は虐待されると固まり、大きくなると過剰に合わせるようになります。
つまり、愛着障害は、逃げる(flight)、固まる(freeze)、戦う(fight)といった
言動で現われます。
特に大事なのは中学生の時、いわゆる思春期の14~16歳にかけて前頭前野への
影響が大きくなります。
身体をはじめトラウマや精神的長期の危険が増し、人格を否定し、
生きる力を奪ってしまいます。
例えば、暴言虐待を受けた子どもは聴覚野に傷が刻まれ、フラッシュバックを起します。
他の子を虐待したり、イジメ合う同士でイジメ合うという悲劇を演じたりもします。

◆ 被虐待児のケアと親や家族へのケア
子ども自身のケアで先ず大事なのは、安全で安心できる生活を与えることです。
そして生活内での発達の促進を促し、トラウマへの治療や虐待家族への治療へと
つなげていきます。
子どもたちは何よりも親の愛がほしいのです。
「あなたが大事、何があっても幸せになってほしい!」
親や家族も、マザーズのような場で、DVや虐待の悪循環のメカニズム等を理解しつつ、
耐力をつけていく必要があります。
愛着を育てるには同じ人でないと育たない。一番は親や家族なのですが・・・
自己肯定感がないと、他者を認められない!
《生きる力》は、《自己肯定感》から生まれるのです。

☆【奇跡の子育て術】(2015-05-22)より
『ゆるす愛のミステリー』
講師:今村 冬生 (ファミリー・カウンセラー)

※ 子どもが、今、一番、望んでいるのは何・・・?
その心を読み解くのは難しい。一番のニーズは何でしょうか?

◆ 「キレる子ども」
5月18日のNHK番組「あさイチ」で、自尊心のなさと低年齢化が報じられた。
5歳から小学校の中学年までの子どもを、近年「中間反抗期」と呼び問題視。
自尊心が低いと不満や不安を外に出せずイライラし、エネルギーが内に溜まって爆発!
「キレる原因」になっているという。

◆ その改善策として
「早くやりなさい!」という命令形が一番ダメだと番組では言っていましたが、
これはマザーズでも言い続けてきたことです。
子どもたちは、自分のやりたいことと、大人の命令型との間でパニックになり、
キレているのです。 自分のやりたいことだと、生き生きとした表情になります。
ネガティブな感情でも「頭ごなしに否定しない!」ことが大事です。
子どもに選ばせ、自分で決めさせることが自信に繋がり、貴重な経験にもなります。

◆ ゆるす愛の奥義!
○「たとえ障害があっても、そんなことは大した問題ではない。なぜなら、
私たちはあなたを心から愛している」 両親のこの言葉に、自閉症の東田直樹さんは、
存在感を感じながら育ったのでしょう。

○「未完の美」という匿名希望の母親からのレポート:
「生きていてよかった。まだ不安定だけど」息子がぼそっと言った。
彼がそんな言葉を口にするとは思いもしなかった。
22年前、彼は私の希望通り医大に現役合格を果たした。が、その夜から
引きこもりが始まった。 あれから、ゲーム三昧、映画館通い、果ては
美容整形や犬の訓練学校、自転車の競技会などに参加した。
「完璧であるな、手を抜け」「笑顔で接しろ」みんな私に言いたかった言葉です。
「俺はこのままでは終わらない」「泥舟に乗せてやるからな」と笑って言う。
以前の私なら「そんなのごめんよ」と言っていただろう。 でも今の私は違う。
「ありがとう、よろしくね」と自然に答えている。
私は彼に母性を育ててもらっている。
泥舟であろうが、笹船であろうが一緒に乗っていくつもりだ。

☆「心の診療室(2015.04.10)」より
『パーソナリティ障害と心のケア』
講師:山中 正雄 (精神科医)

◆ A群パーソナリティ障害・・・
対人間関係からの引きこもり、奇妙な話や態度。
1) 猜疑性、妄想性:不信と疑い深さ。他人の動機を悪意あるものと解釈する。
2) スキゾイド:社会的関係からの遊離及び感情表現の範囲の狭さ。
3) 統合失調症型:親密な関係から急に不快になる。
認知的、知覚的歪曲、行動の奇妙さ。

◆ B群パーソナリティ障害・・・
劇的で情動的、奔放。
1) 反社会性:他人の権利を無視し、侵害する。
2) 境界性:感情の不安定、著しい衝動性。
3) 演技性:過度な情動性と人の注意をひこうとする。
4) 自己愛性:誇大性、賞賛の欲求。共感の欠如。

◆ C群パーソナリティ障害・・・
不安に関連した特性。
1) 回避性:社会的抑止、不適切感、否定的評価に対する過敏性。
2) 依存性:世話をされたいという全般的で過剰な欲求のため、
従属的でしがみつく行動を取る。
3) 強迫性:秩序、完全主義、統制にとらわれている。

◆ 対応と心の治癒!
「パーソナリティ障害」は、かつて「人格障害」と言われていましたが、
アメリカ医学会が発表した最新の定義によると、薬物や一般的身体疾患の
生理学的対応ではなく、スペクトラム(連続体)として捉える必要性を説いています。
生育環境と生まれつきの気質が長期間に及ぶため白黒をつけ難いというのです。
従って・・・
揺れる障害者の感情に、揺れない態度で接し感情の鎮静化を図る。
そうすることで深いところにあるまともな心を引き出し共感していく。
愛と忍耐が導入門であり、治癒への全てとなるのです。

☆ 子育てセミナー(2015.03.27)より
『トットちゃんの母・朝さん』
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長)

◆ その生涯・・・結婚と子育て
黒柳朝は旧姓を門山と言い、1910年北海道滝川市に、開業医の父と
熱心なキリスト教徒だった母の三人の子どもの第二子として生まれた。
長女だった彼女は、生涯を通して一度も母親に怒られたことはなかったし、
小言や愚痴を聞いたこともなかったという。

東洋音楽学校声楽科で学び、在学中に知り合ったバイオリニストの黒柳守綱と結婚。
翌年、1933年に徹子が生まれ、二年後には明児が生まれます。
経済的には厳しい生活だったようです。
徹子は今でいう、LD(学習障害)またはADHD(注意欠陥多動性障害)
だったのかもしれません。小学校1年の時に退学になり、朝さんは学校を探し、
トモエ学園に出合います。

◆ 青森への疎開
長男・明児が8歳で死亡。ほどなくして、夫に召集令状が届き、
昭和19年秋には中国に出征します。
空襲が続く中、朝さんは生後数か月の友理を含む三人の子どもを連れ、
青森県諏訪野平に疎開します。

◆ 終戦と晩年
終戦後、行商でお金を貯め、東京に家を建て帰京。昭和24年末に、
夫がシベリヤ抑留から帰国します。
徹子は東洋音楽学校声楽科を卒業、昭和28年にテレビ女優第一号の一人として
NHKに入社。テレビ放送の創生期から活躍を続けます。
晩年、子どもたちが自立するようになってから鎌倉に引っ越し、
またアメリカ西海岸で数年間を生活。
2006年、95歳で心不全のため亡くなっています。

◆ 朝さんの子育て
・・・トットちゃん(徹子)を中心に実家によるおおらかさの伝統と、
トモエ学園の校長・小林先生による教育方針が朝さんの中で一致します。
それは愛に満ちた「キリスト教精神」でした。
① 子どもを怒らない。
② 子どもの目線でものを見る。
③ おおらかでいる。
④ 子どもの話を受け入れる。
⑤ 指示をしないで、したいことを励ます。
⑥ 正直でいる。
⑦ 子どもは宝物だと考えます。
⑧ 感謝と祈り。

◆ 【トモエ学園の方針】
① 子どもの話を聞く。
② 子どもの自立性を育む。
③ 子どもの話を受け入れる。
④ 好奇心を大切にする。
⑤ 学びのタイミングをつかむ。
⑥ 君は、本当は、いい子なんだよ。
この言葉でトットちゃんは救われたと言います!

☆【心の診療室】(2015-02-27)より
『不安障害とは何か?』
講師:山中 正雄 (精神科医)

◆ 不安障害の概念と分類
不安障害には、老後の不安などの健康な不安とノイローゼ的な不安と
身体疾患に及ぶ精神病があります。不安が大きくなると、
三大症状と言われるパニック発作や予期不安、広場恐怖が起きます。
几帳面な人がなり易く、不安が過度になると病態が重くなり気分障害を引き起します。

◆ 特徴的な認知と原因
1)パニック障害・・・「大変だ!」
2)高所恐怖症、閉所恐怖症など・・・「危ない!」
3)社会不安障害・・・「恥をかく!」
4)強迫性障害・・・「何か足りない!」
5)PTSP(外傷後ストレス障害)・・・「きっと、また起こる!」
6)全般性不安障害・・・「もしかすると・・・・」
≪原因≫・・・脳機能異常:アルコールやたばこ、カフェインを
取り過ぎると良くない!
心理的要因や社会的要因を逃げずに認知する。

◆ 経過と治療
≪経過≫・・・後期青年期と30代半ばの二つの山がある。
≪治療≫・・・①薬物療法:SSRI抗うつ薬、
BZDベンゾジアゼピン系薬剤=減薬,断薬法
②精神療法:暴露療法・・・怖いものに段階的に慣れていく方法
認知療法・・・疾患を理解し、多様性を認め白黒判断をしない。
相性の良い医者と信頼関係を築き自己管理する。

※ ≪本人へのアドバイス≫
不安やストレスから逃げず、自分でも向き合い、
規則正しい生活を心がけ、乗り越えることをめざす。

☆ 子育てセミナー(2015.02.13)より
『救世軍の母・山室機恵子』
講師:錦織 寛 (東京聖書学院長)

◆ 花巻の社会福祉家に育つ
1874年(明治7)、岩手県花巻に父・佐藤庄五郎、母・安子の長女(第二子)として
生まれ、兄・皐藏、弟・政次郎、健三、四郎、五郎の六人兄弟として育つ。
但し、四郎は夭折。それぞれに社会的貢献をなし名を残しています。

◆ 救世軍との出会い
1891年(明治24)、上京して明治女学園に入学。羽仁もと子と同級生。
当時の教授陣は植村正久、内村鑑三、星野天地、津田梅子らであった。
島崎藤村、北村透谷も教壇に立ったという。
機恵子は植村正久が牧師をしていた一番教会で受洗している。
卒業後、女紅学校で教師をするが、当時、日本に入って来た救世軍の女性たちに、
日本の言葉や文化・習慣を教えるボランティアをしている内に救世軍の山室軍平
と出会い、1899年(明治32)に結婚する。

◆ 8人の子どもと社会福祉事業の数々
機恵子は8人の子どもを産んでいますが、次男の襄次は7カ月で亡くなっています。
長女・民子、長男・武甫、次女・友子、三男・周平、三女・光子、四女・善子、四男・使徒。
彼女は7人の子どもを育てながら社会福祉事業に貢献します。
1900年代には、廃娼運動を起し、逃げてくる娼婦の保護に当たった。
1905年には東北凶作地子女救護運動を行い、1912年頃から病院事業に
乗り出し、結核療養所の開設に向けて奔走します。
しかし、1916年(大正5)、完成を待たずに七人の子どもを残し、42歳で
急折。機恵子を慕う人が多く、葬儀には1200人余りが参列したという。

◆ 武士道精神とキリスト教精神
忠義を重んじ、困っている人を助けるという「武士道精神」は,父親をはじめ
家訓の中に息づいていた。それが寛容で情け深く、愛に満ちた「キリスト教精神」
と一致し、機恵子の中に現れたのでしょう。
機恵子は【良き習慣】について次のように述べています。
① 良き習慣は、初めを慎み、なるべく若い間に作らなければならない。
② 良き習慣を養うには、自らを顧みることが最も大切である。
③ 特に養うべき習慣として・・・祈祷の習慣、感謝の習慣、寛容・親切の徳、
規律正しい習慣、勤勉の徳、少しは難しいことでも思い切って行う習慣、
足ることを知る習慣、いかなる時にも真実な習慣、悪を棄てて善に還る習慣。

※【娘・民子が見た母親】・・・正直であれ、勤勉であれ、伝道に熱心たれ、
目立たぬように、夫を大切に。 自分の才智を頼まず、神の力により、
愛の生活をいとなむように!

☆ 心の診療室(2015.01.09)より
『気分障害とは何か?』
講師:山中 正雄 (精神科医)

◆ 「うつ」と「うつ病」の違い
本人の気分が、まわりで理解できる「うつ状態」の範囲で、生活への支障も
大きくなかったら問題ありませんが、意欲や思考が極端に落込んだり、イライラしたり、
症状が日内変動するようだと「心の病」と診断せざるを得ません。
「うつ病」になると、障害が極端になり、過食障害や妄想化が起きてきます!

◆ 「うつ病」の治療・・・抗うつ薬
「うつ病」の治療には抗うつ薬が良く効きます。しかし、「うつ病」が良くなってきたら、
薬を飲んではダメです。良くなったのに薬を飲み続けると、思考が不安定でおかしくなり、
新たな病状へと進んでしまいます。
薬には有効性と限界性があり要注意です。
薬に頼り過ぎず、精神療法を取り入れることです。

◆ 精神療法・・・認知療法
先ず、〇×発想や白黒発想は止める。人の生活には多様な面があることを認め、
薬に頼らず、自分の考え方を見直し、意識改革を行うことが大事です。
医者に全てを頼らずに、生活記録をつけ、心の変化をパーセント(気分グラフ)で表し、
生活改善をしていくようにします。
対人関係療法や家族療法も大事です。いずれにしても、原因探しをしないで、
目的探しをすること。人間らしさを取り戻すにはどうするか ?
みんなが協力し合って、悪者を作らないようにすることが大事です。

◆ うつ病の社会的治療
家庭における環境調整を行う。親子間で、夫婦間で、兄弟姉妹間で。
職場や学校においても同じです。メンタルヘルスやカウンセリングが大切です。
また、社会や教会における環境調整も大事です。

◆ うつ病の予防
幸せの物指しは何か? うつから逃げないで向き合っていくと、
予測可能なプランが立つようになり元気になってきます。
白黒発想の人と付き合わないようにし、先ず、心の定感化を図ることが大事です。
更に、グループ・カウンセリングを行っているマザーズのような共同体に参加して、
お互いの悩みを共有するようにすると、孤立から解放されて安心感が増し、
心が癒されていきます。
癒しの原点は、お互いにゆるし合い、命の重大さに気付くことデス!

MCC 連絡先

 

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《TEL》050-3348-2271
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